ウェルスチールが教える屋根の豆知識

Knowledge
屋根の豆知識

屋根の形状は雨漏りリスクと繋がっている?雨漏りに強い家とは?

2023年12月27日

建物において雨漏りは非常にやっかいなものです。
屋内にまで雨漏りが起こるようになると家電や床材などさまざまなものに被害が及んでいきます。
その雨漏りは実は屋根の形状にも非常に関係しています。
屋根の形状は実は色々なものがあり、一般的な紙を二つに折ったような「切妻屋根」以外にも色々とあります。
そこでここでは屋根の形状の種類と雨漏りに対しての強さなどの関連性について紹介していきたいと思います。

雨漏りと屋根の形状の関係性とは

雨漏りの原因になることは色々とあるのですが、やはり「屋根」が原因となる場合が多くあります。
屋根が原因となって発生する雨漏りは屋根材や板金など屋根のどこかの部位で経年劣化している、破損している、トラブルが起きているということが原因で起こる場合がほとんどです。
板金などが原因の場合は板金が錆びたり、破損していたりすることがあるためですが、屋根材の破損などは「屋根材のつなぎ目」が多くなっています。
屋根で使用されるのは一枚の屋根材ではなく、複数の屋根材を組み合わせて使用しているため、どうしてもそのつなぎ目で雨漏りが発生しやすいということになります。
このつなぎ目が多いということはそれだけ雨漏りが発生することにつながるのです。
つなぎ目の多さは屋根の形状に関係しているため、どういった形状をしているのかがポイントとなると言えます。

また、屋根の形状については「降った雨の水はけの良さ」「湿気の溜まりやすさ」にも影響してきます。
屋根での水はけが悪い、湿気が溜まりやすいという状況が続くと、屋根材や下地材が腐食しやすい、劣化しやすいということにつながります。
このように雨漏りは屋根の形状と非常に深い関係にあるのです。

それぞれの屋根の形状と雨漏りに対する影響について

屋根には色々な形状があり、それぞれに雨漏りに対する影響力が違っています。
そこでここではそれぞれの形状と雨漏りに対する影響について紹介していきます。

切妻屋根

一般的な住宅の屋根と言われてもっともイメージしやすい屋根が切妻屋根です。
紙を二つに折った形、頂上部分から2つの面が下方向に広がる形状をしている屋根です。
頂上部分である棟は横方向に一直線に伸びており、屋根の面も広くなっています。
シンプルな形状をしているためにつなぎ目が少なくなっており、「雨漏りがしにくい」という造りになっています。
構造もシンプルなため、施工もそれほど時間がかからず、メンテナンスもしやすいという屋根と言えます。
雨漏りに強いという点においても、コストパフォーマンスという点でも優れている屋根の形状だと言えるでしょう。

寄棟屋根

こちらは棟部分から前後左右の4方向に4つの面が広がる形状の屋根です。
建物の4つの面のすべてに軒が設置され、屋根と外壁との境目を守ることができるという点でも雨漏りに強いと言えます。
雨に対しても4つの面に分散して流していくことができることからかなり雨漏りに強いとも言えます。
ただ、切妻屋根と比べると施工は少し複雑になることから施工コストが高くなるということに加えて、つなぎ目が増えるということがあるため、そのつなぎ目部分の劣化には注意しなければいけません。
それでも他の種類の屋根の形状と比べると雨漏りはしにくい形状をしていると言えます。

片流れ屋根

こちらは近年増えてきている形状の屋根です。
屋根は1面だけとなっており、片側に向けてのみ斜面があります。
見た目がデザイン性の高いものとなっている場合が多く、それが人気となっています。
シンプルな形状をしているため水はけは悪くはないのですが、片側に集中的に雨水が流れていくということもあって、そちら側にある雨樋などが劣化しやすいという特徴があります。
さらに屋根がない方向は屋根と外壁との境目に軒などが設置されないため、雨漏りに弱くなります。
他の特徴としては片側に広く1面の屋根があるために太陽光発電システムを設置しやすいというものがあります。
広い面が南向きの建物であればそのメリットは非常に大きいものとなると言えるでしょう。
ただ、総合的に考えれば片流れ屋根は雨漏りには弱い屋根だと言えるでしょう。

入母屋屋根

こちらは4つの面がある寄棟屋根の上部分に2つの面の切妻屋根があるといった形状をしています。
伝統的な家屋、古くからの大邸宅、神社仏閣などで多く使われている形状の屋根です。
断熱性や通気性には優れている屋根なのですが、とにかく構造が複雑となっているために施工コスト、メンテナンス費用が高くなります。
また、構造が複雑でつなぎ目も多くなっていることから雨漏りのリスクも高くなっています。
雨漏りという点、コストパフォーマンスという点を考えるとそれほど優れているとは言えません。

陸屋根

この陸(ろく)屋根は「平屋根」と呼ばれることもあるもので、屋根に傾斜がなく水平になっている形状のものです。
ビルやマンションの屋上などで多く使われている形状で、屋根を屋上として活用することができるというメリットがあります。
しかし屋根に傾斜がないために水が溜まりやすく、雨水がうまく流れていきません。
水はけも悪く、排水口もつまりやすいというデメリットがあります。
さらに屋根に軒をつけることができないため、外壁は雨水をすべて受け止めることとなります。
こういった理由によって雨漏りには非常に弱い形状の屋根となっています。
かなり頻繁にメンテナンスが必要となる屋根だと言えるでしょう。

方形屋根

形状としては寄棟屋根に似ているのですが、こちらは頂上が1点となっており、その頂点から4つの面に屋根の面が伸びているという形状をしています。
形としてはピラミッドのような形だと思っておけば良いでしょう。
寄棟屋根と同様に雨水は4つの方向に流れていくためにどこかに雨水が集中するということはないのですが、頂点部分が劣化しやすいということと、つなぎ目は切妻屋根よりも多いということが特徴となっています。
そういった点を除けば雨漏りへの耐性はまずまずあるほうだと言えます。

招き屋根

こちらは2つの面がある切妻屋根の片側の屋根面を長くして勾配を急にした上で、もう片側の屋根面を段違いにして短くした形状をしています。
段違いにしていることで室内の広さを確保できる、ロフトなどを作るスペースを生み出すことができるというメリットがあるだけでなく、高さが段違いとなっていることによって耐風性能も高くなるのですが、1階部分の屋根と外壁のつなぎ目部分から雨漏りがしやすくなるというデメリットがあります。
こういった特徴からこちらもあまり雨漏りに強い屋根とは言えません。

はかま腰屋根

この「はかま腰屋根」は2つの面を持つ切妻屋根の棟部分を少し切り取ったような形状をしている屋根で、「隅切り」「半切妻」と呼ばれることもあります。
なぜこうした形状にするかというのは建築基準法の道路傾斜制限がかかっていることで高さや幅に制限がかけられるためです。
このはかま腰屋根にすることによって制限内に納めるということが可能となるのです。
ただ、このように棟部分を複雑にしているために雨漏りには弱くなってしまうというデメリットがあります。

どのような仕組みで屋根が雨を防いでいるのかを知りましょう

屋根の形状によって雨漏りに強い、弱いということがあるため雨漏りを意識した上で屋根の形状を考えていくことが重要です。
また、同時にどのように屋根が雨漏りを防いでいるのかを知っておくことが重要となります。

雨だけでなく風にも強いことが重要である

雨漏りのことを考えると「雨に強い」ということだけを考えがちですが、実は「風に強い」ということも重要となります。
風が吹き込むことで、屋根材の固定が弱くなると強風で屋根材が飛ばされてしまうことがあります。
屋根材や棟板金が風で落下したり、破損した場合はその部分から雨漏りが起きることに直結することとなります。
この場合は屋根材を野地板に固定している釘やビスが緩くなっている可能性があります。
野地板が腐食していると固定力が弱まるため、屋根が外れやすくなります。
こうしたことは風が強く吹くかどうかによってもかなりの差が出てきます。
雨漏り対策を考える際には風に強いということも合わせて考えるようにしましょう。

屋根の形状については基本的な項目に注意する

まずは「屋根の形状がシンプルであること」です。
屋根材同士が結合する部分が多い、取り合い部分が多い、という複雑な形状になるほど雨漏りが発生するリスクが高くなります。
このことから屋根の形状が複雑になり、つなぎ目が多くなることによって雨漏りのリスクが高まってしまうということがわかります。
雨漏りのリスクを減らすためには、屋根の形状はできるだけシンプルな方が望ましいと言えます。

次に「屋根の勾配が急である」ということです。
屋根の勾配、傾斜が緩くなるほど水が流れにくくなり、水はけが悪くなります。
水はけが悪いほど屋根の劣化が進むこととなり、雨漏りのリスクも高くなります。
そのため勾配が急になるほど雨漏りのリスクを減らすことができるでしょう。
ただ、屋根材によって必要最低勾配が定まっているため、それらを踏まえた上で屋根を選んでいくと良いでしょう。

最後に「軒の長さ、深さ」です。
屋根と外壁の隙間部分は雨漏りがしやすいポイントとなります。
軒が長い、深いほど外壁に直接雨水がかかることが減りますので、雨漏りのリスクを減らすことにつながります。

まとめ

屋根の形状にはさまざまな種類がありますが、それらの形状は雨漏りと非常に関わりが深いものとなっています。
デザイン性などを求めるということがあるかもしれませんが、雨漏りという点において考えるのであれば形状がシンプルである方が望ましいということになります。

〈雨漏りに関する豆知識記事〉

▷実際にどうすればいい?雨漏りのセルフチェック方法

▷雨漏り修理はまとめてリフォームがおすすめ!一時的な雨漏り修理について

▷ 雨樋のオーバーフローは雨漏りの原因に!メンテナンス方法を解説

現地調査・お見積もりは無料!!

『ウェルスチール』は春日部市を中心に1都5県(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県)に出張いたします!
お問い合わせやご相談、現地調査やお見積もりは無料!
瓦・屋根修理・外壁塗装以外にもお手伝いできる工事もあるかと思います! お気軽にご相談ください!

ウェルスチールの工事対応可能エリア

Area
対応可能エリア

春日部市を中心に1都5県(東京・神奈川・埼玉・千葉・栃木・茨城)に出張可能!

LINEでかんたん
問い合わせ&見積依頼