2023年7月1日
住宅には色々な工夫がなされており、人々が快適に暮らすことができています。
特にその中でも屋根は太陽光や雨水をダイレクトに受けやすい場所ですので多くの工夫がなされています。
「換気棟」もその一つで、その名前の通り「換気」を行うことができる部位となっています。
そこでここでは屋根の「換気棟」について紹介していきたいと思います。
住宅を劣化させる、ダメージを与えるものとして大きなものに「湿気」というものがあります。
例えば朝方に窓ガラスに水滴がついていたり、下の方に水が溜まっているということがあります。
また、家の中がなんとなくジメジメしていて壁紙にカビが生えているといったこともあるかもしれません。
これは室内の湿度が高く、室内と屋外の温度差が大きいときによく発生するものとなります。
こうして発生している「結露」が色々なダメージを与えることとなっているのです。
この結露は屋外が寒く、そのために窓ガラスの温度が下がった際に屋内の湿度が高いとその水蒸気を含んだ空気が詰めたい窓ガラスに当たることで発生しています。
結露が発生するとその水分によって木材が腐食したり、カビが発生することにつながっていきます。
カビが発生するとシックハウス症候群を引き起こすことにもなるため、まずはこの結露を防いでいくことが重要となります。
では近年なぜこういった結露が問題になっているのでしょうか。
実は昔の日本住宅ではとにかく通気性が良く、屋外と室内と温度差もあまりありませんでした。
そのため夏は暑いし冬は寒かったのです。
その代わりに結露が発生したりすることもなかったということになります。
しかし近年では住宅には断熱材が使われており、気密性を高めることで「夏は涼しい、冬は暖かい」という家を目指しています。
そのため暮らしやすくはなっているものの、その分だけ屋内と屋外の気温差は大きくなり、結露が発生しやすくなったのです。
そういった意味では近年の住宅と結露は深い関係があると言えます。
では換気棟とはどういったものなのでしょうか。
換気棟はその名前の通りに屋根の頂点の部分にある「棟」につけられている「換気」機能を持った部位です。
屋根は住宅のもっとも上方にあるために夏は太陽光をすべて受け止めることとなります。
そのため、屋根の内部は異常な高温となっていきます。
あまりにも高温になった屋根の内部は野地板などの木材をカラカラに乾燥させてしまい、耐久性を下げることにつながっていきます。
では冬はどうでしょうか。
気密性の高い屋内で暖房などをつけたとします。
すると暖かい空気は上に集まり、冷たい空気が下に集まっていきます。
屋根の内部には暖かい空気が入ってくるのですが、屋外が寒いためにここで急激な温度差が発生します。
すると屋根の内部に結露が発生することとなっていくのです。
このように換気棟がない状態であれば屋根の内部は高温になったり温度差が発生しやすくなる状況になるのです。
最近新築で建てられている住宅には換気棟が設置されることが多いために特別追加で付けなければならないということはありません。
また、すでに建てられて50年以上が経っているような家屋の場合は家全体が通気性が高く、換気棟を設置する必要性がありません。
問題はそれ以降に建てられた家です。
住宅に断熱材、断熱シートを入れることが多くなってきた昭和50年前後くらいから建てられた家は通気性が低くなったのですが、換気棟が設置されていないことがあります。
こうした住宅には換気棟を設置する必要性が高いと言えるでしょう。
新築の家の場合は換気棟が最初から設置されていることが多いために追加で設置することはあまり考えられませんが、古い家をリフォーム工事する際などに設置するということはあります。
ここでは換気棟を追加で設置する方法について簡単に紹介していきます。
実際に屋根の工事を自分で行うということはあまりなく、業者が行うことが多いのですが、どのような工事が行われているのかを知っておくのは良いかもしれません。
まず設置されている棟板金と貫板を取り外していきます。
これらを外してもまだ内部には「野地板」「防水紙」などがあるため、このままでは換気ができるわけではありません。
そのため、野地板や防水紙にも換気棟のサイズに合わせて穴を開けていくこととなります。
この際、適切なサイズの穴を開けないと雨漏りなどが起こる原因となりますので慎重に行う必要があります。
その後、貫板や結露防止シート、防水紙、換気棟などを順に取り付けていくこととなります。
特に捨水切りは屋根に対して垂直になるように設置した上でシーリング材などで防水処理をしっかりを行います。
こうして換気棟を設置していくこととなるのです。
新しく設置される換気棟はガンバリウム鋼板などでできているものが多いため、耐久性に優れていることが多いのですが、それでもまったく劣化しないというわけではありません。
設置されている位置が屋根の頂点にある棟板金と同様にここが劣化して破損すると雨漏りにつながってしまうため注意が必要です。
安定して換気棟を使用していくためには効率的なメンテナンスが必要なのです。
そこでここでは換気棟のメンテナンス方法について紹介していきます。
棟板金も大雨、強風、太陽光による高温などの影響を受けやすく、鉄の釘が抜けてしまう、錆びてしまうということがありました。
これは換気棟も同様で、経年劣化によって固定している鉄の釘が抜けてしまう、ステンレス製のビスが緩んでしまうということがあります。
固定がゆるくなると棟板金が落下してしまったりするため、これらがしっかりと固定されているかどうかを確認しておきましょう。
換気棟はもちろん他の部位についてもシーリング材が劣化していないかどうかは重要な確認項目となります。
シーリング材が細くなったり、ひび割れしていくとそこから雨水が侵入しやすくなるため、屋根全体においてシーリング材が劣化していないかを確認しておきましょう。
換気棟はその設置位置から常に太陽光と雨水にさらされていることとなります。
そのため、傷や色褪せ、錆びなどが発生しやすい場所でもあります。
特に錆びてくると換気棟の耐久性がかなり低下するために注意が必要です。
しっかりと錆防止の塗装をしたりすることで錆びなどに対応していかなければいけません。
定期的に屋根のメンテナンスをする際に屋根塗装において塗膜保護を行うようにしましょう。
これらのように換気棟のメンテナンスを行っていくのですが、基本的には屋根全体の補修工事やメンテナンス工事を行う際にチェックしなければならないことと同様のものとなっています。
こういったメンテナンスを行う際には換気棟のメンテナンスだけを行うということはあまりありませんので、屋根全体のメンテナンスを行う際に一緒にチェックするのが効率的となっています。
まとめ
近年の日本の住宅は高い気密性を持っているために夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができるのですが、その分だけ外気温との差が出やすく、結露が発生しやすい環境となっています。
それを防ぐためにも換気棟を設置し、通気性を高めることが重要だと言えるでしょう。
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