ウェルスチールが教える屋根の豆知識

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屋根の豆知識

屋根における「役物」とは?種類や機能について解説

2024年4月24日

屋根は屋根材だけでなく、さまざまな部位があってそれぞれに役割をはたしています。
「役物」と呼ばれるものもそれに当たります。
そこでここでは屋根における役物の名称、種類、果たしている機能などについて紹介していきたいと思います。

役物はどういった機能があるのか

鬼瓦

役物といってもよく聞くものから、あまり名前を聞かないものなどさまざまです。
また、それぞれに果たしている役割は違っているのですが、ここではまず役物が果たしている基本的な機能について紹介していきます。

見た目、美観を整える機能

屋根は建物の中でも人の目につきやすい位置にあります。
そのため、この屋根に役物を設置すれば美観を整える、見た目を印象付けるということが可能となるのです。
役物の色を屋根材と合わせて調和させたり、まったく違った色で印象付けたりすることも可能です。
また、デザイン性が高い役物を配置することで見た目を良くするということもできます。
美観を整えたり、建物の印象をつけることができるというのも役物の機能なのです。

屋根の防水性を高める機能

屋根の役物には色々な機能がありますが、それらの中でも特に重要な役割は「屋根の防水性を高める機能」「防水機能」です。
役物が配置される場所は屋根の先端部や頂上の棟、形状が異なっている部材同士のつなぎ目などのように複雑な場所です。
こういった「先端部分」「つなぎ目」などの部分は雨水が内部に侵入しやすい場所でもあり、こういった場所から水が浸入することで雨漏りが発生する原因にもなります。
そういった重要な場所に役物を設置することによって防水機能を高めるということが期待できるのです。
役物が建物内部に水が浸入するのを防ぎ、屋根全体の防水機能を高めてくれます。

部材、建材をしっかりと固定して安定させる機能

屋根には色々な部位がありますが、それぞれの部位がしっかりと固定されていないと大雨や強風などの際に「剥がれる」「めくれる」「破損する」「外れてしまう」ということがあります。
部材が剥がれてしまったりすると雨漏りの原因になったり、近隣の家に被害をもたらしたりする原因となります。
このように部材がめくれたり外れたりすることを防ぐために、部材を固定する役割を果たすのが屋根の役物です。
固定したい部分、部材、つなぎ目などに屋根の役物を覆いかぶせるようにして収納しますので、役物を設置した後は固定している部分が外からは見えないようになります。
こうして部材をしっかりと固定して安定させる機能があります。

ケラバとケラバに設置される役物について

春日部市にて屋根修理(瓦屋根の差し替え)

役物には色々な種類がありますが、それらの部位の中でもケラバは非常に重要な部位となっています。
ここではまずケラバとはどういった部位なのか、ケラバに設置される役物とはどういったものかについて紹介していきます。

ケラバについて

諸説あるのですが、ケラバという名前は「けら(おけら)」から来ていると言われています。
ケラバが設置されているのは切妻屋根や片流れ屋根といった屋根が斜めになっている面の外壁よりも外側に出ている部分です。
一般的に屋根の先部分は軒と呼ばれる部分ですが、その軒先には雨樋が設置されています。
ケラバは雨樋が設置されない側の部分の名称だと考えれば良いでしょう。
そのため寄棟屋根や方形屋根にはケラバと呼ばれる部分はありません。

ケラバが持っている機能、果たしている役割とは

ケラバは外壁よりも外側に出っ張っている部分ですので、夏の強い日差しが窓から建物内部に直接入らないようにする機能があります。
また、冬は逆に日光が建物内部に入ってほしいということがありますが、冬は太陽の日射角度が低くなるため、ケラバの下部分から窓に日差しが入るようになっています。
さらにケラバは強い日差しが外壁に直接当たることも防いでくれます。
強い日差しが外壁に当たり続けることによって外壁が劣化してしまうことがありますが、それを防いでくれます。
外壁の中でも窓ガラス、窓枠の部分は外壁との間につなぎ目が発生するためにそこから雨水が入り込みやすいのですが、ケラバは窓の上部分に設置されているために窓に直接雨水が吹き込むことも防いでくれます。
このようにケラバは太陽光、紫外線や雨水から窓ガラスや外壁を守ってくれる、保護してくれるという重要な役割を果たしているのです。

ケラバにある役物、ケラバ包み

ケラバは窓や外壁などを守ってくれるための重要な部位ですが、それだけ雨風のダメージを受けやすく劣化しやすいという部位でもあります。
それを防ぐためにケラバの端部分に設置する役物が「ケラバ包み」です。
高い防水性を持つケラバ包みによってケラバの耐久性、耐水性を向上させることができるのです。
また、ケラバのすぐ下部分には破風板が設置されています。
この破風板はその名前の通りに風を受けやすい部位となっています。
風を受け続けることで屋根材がめくれてしまったり、破損してしまったりすることが起こりやすい場所でもあります。
こうしたことを防ぐためにもケラバ包みは役立っています。
「防水性」だけでなく、「強固な固定力」を持つことによって安定性を高めているのです。

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そのほかの屋根の役物の名称、種類、それぞれの機能について

屋根の役物には色々な種類のものがあり、それぞれに特徴と役割があります。
ここではケラバ以外の役物の名称や特徴について紹介していきます。

棟包(むねつつみ)

「棟」と呼ばれているのは屋根の頂上部分で水平になっているもっとも屋根の上にある部分です。
この棟では屋根の面、屋根材同士が合わさる部分となるために、そのつなぎ目から雨水が内部に入りやすいという特徴があります。
こうしたつなぎ目をそのままにしておくとそこから雨水が浸入してしまうので、この部分に棟包という板金の役物を設置することでそれを防ぐことができるようになります。
一般的にはこの棟包は「棟板金」と呼ばれることもあります。
棟の頂上部分を「大棟」と呼んでおり、頂上から軒先に向かって設置される部分を「隅棟」と呼んでいます。
棟包は固定するために鉄の釘やステンレスのビスを使うのですが、こういった部分は経年劣化によって錆びたり緩んだりしてきます。
釘やビスが錆びたり緩んだりすると板金を固定する力が弱くなってくるため、強風時に部材が飛散してしまう、落下してしまうことが多いのもこの役物の特徴です。
また、板金の役物ですので、経年劣化によって塗膜が薄くなったり剥がれたりしたり錆びてきたりするということもあります。
それを防ぐためには定期的に塗装メンテナンスをする必要があります。
役物の中でもかなり一般的でよく使用されるものだと言えます。

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剣先(けんさき)

屋根の頂上部分の棟から軒先に向かって伸びているのが隅棟ですが、その先端部分に設置されるのが剣先です。
剣先という名前通りに先端部分が尖っていて剣先のようになっています。
ただ、どの建物でも一律に同じような角度に加工して設置するというわけではなく、それぞれの建物や屋根の形状に合わせて加工した上でしっかりと一致するように施工する必要があります。
隅棟で使用している板金と同じ種類の素材を使うことが多いのですが、わざと違う素材のものを使うという場合もあります。
それらも職人のこだわりや技量が影響する点でもあります。

棟巴(むねともえ)

屋根が原因で発生する雨漏りは部材同士のつなぎ目から水が浸入して発生するということが多くなっています。
棟とケラバをつなぎ合わせる部分もその一つであり、雨漏りが発生しやすい場所となっています。
そこでこの棟とケラバの合わさった部分に設置されている役物が棟巴です。
スレート屋根や金属屋根が屋根材として使用されている場合には板金のものとなり、瓦屋根が使用されている場合は棟巴瓦が使われます。
切妻屋根だけでなく、入母屋の場合にも棟巴が使用されており、デザイン性の高い巴瓦が設置されて美観を高めるということも多くなっています。

雨押え(あまおさえ)

雨漏りが発生しやすいつなぎ目は屋根と外壁とをつなぐ部分でも出てきます。
この屋根と外壁のつなぎ目からも雨漏りが起こりやすいのですが、そこに設置された役物が雨押えです。
この取り合い部分に板金でできた雨押えを設置することで、その部分から内部に雨水が入り込むのを防ぐことができるのです。

鬼瓦(おにがわら)

鬼瓦は役物の中でも知名度の高い役物です。
鬼瓦は屋根の棟の端部分に設置された瓦であり、雨漏り防止といった現実的な役割を果たしていると同時に「魔除け」「厄除け」「火除け」といった願いを込めて設置されているものです。
鬼瓦という名前の通り鬼の顔を形どったものも多く、「強いもの、怖いもので厄を祓う」という意味合いがありました。
しかし近年では、住宅地などで恐ろしい鬼の顔は周囲とのバランスが悪くなるために避けられることもあり、「雲」「植物」などのデザインのものが使用されることが多くなっています。

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鼻隠し(はなかくし)

屋根の先端部分にある軒先を覆うように設置するのが鼻隠しです。
軒先の先端部分は外を歩いている人の目につきやすく、建物のイメージを大きく左右する部分でもあります。
また、軒先は雨漏りが発生しやすい場所でもありますので、この鼻隠しは「防水」「外観」という2つの役割を果たしている重要な役物となっています。

まとめ
屋根は屋根材だけでなく、さまざまな部位があり、それらを保護したり美観を整えたりするために役物が設置されています。
役物にはそれぞれに名称があり、役割を果たしています。
役物ごとに劣化していく速さも違いますし耐用年数も違っているので、定期的にメンテナンスを行うことが機能を維持していくことにつながると言えるでしょう。

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