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和瓦の特徴やメリット・デメリット、メンテナンス方法を解説

2023年6月2日

和瓦

近年、屋根材にはさまざまな種類のものが出てきています。
特に金属屋根などは増加傾向にあるのですが、日本の古くからの屋根と言えば「瓦」とイメージする人も多くいます。
ただ、瓦にも和瓦、洋瓦、セメント瓦、乾式コンクリート瓦、金属瓦など多くの種類のものがあります。
そこでここでは「和瓦」の特徴やメリット、デメリット、メンテナンス方法などについて紹介していきたいと思います。

和瓦とはどういったものか

和瓦は基本的には粘土を使用して形を作り、それを焼き上げて作るものとなっています。
釉薬を使用して焼き上げる釉薬瓦と釉薬を使用しない無釉薬の素焼き瓦の2種類に大別されています。
釉薬瓦は瓦の表面の部分にガラス質の釉薬を塗って焼き上げており、瓦に艶をもたらすだけでなく、瓦に色をつけることが可能となります。
釉薬を使用することで、さまざまな色合いの瓦を使用することができるようになり、色褪せもしにくいために長期間にわたって美しい外観を維持することが可能となります。
逆に釉薬を使用しない瓦は瓦らしさを強調するような素焼き瓦となり、純朴な瓦の質感を味わいたい人におすすめとなっています。

日本のあちこちで和瓦は制作されていますが、その中でも「三州瓦」「石州瓦」「淡路瓦」の三つが日本三大瓦とされています。

三州瓦
三州とは「三河」のことを指しています。
徳川家康などで有名な三河は愛知県西三河地方を指しており、「この付近で良質な粘土がとれること」「交通の便が良いこと」などと合わせて日本で最大のシェアを占めている瓦となっています。
一般的に見る和瓦は三州瓦のことを指すことが多いと言えます。

石州瓦
石州とは「石見」のことを指しています。
これは島根県の石見地方で生産される瓦のことを指しています。
特徴としては「薄い」「軽い」ということがあります。
また、近隣の出雲地方の「来待石」を釉薬に使用することで、瓦が「赤褐色」になるという特徴があります。
赤く見えることから「赤瓦」と呼ばれることもあります。

淡路瓦
こちらはその名前の通り、兵庫県淡路地方の瓦です。
この地域の粒子の細かい土を使ってできています。
特徴としては「通気性」「耐火性」「耐久性」に優れているということがあり、見た目も美しい銀色の瓦となっています。

▷瓦ってどんな屋根材?特徴やメリット・デメリットを徹底解説

和瓦を利用するメリットとは

メリット

和瓦にはさまざまなメリットがあります。
ここではそれらのメリットを順に紹介していきます。

頻繁に塗装をして補修する必要がない

和瓦は粘土を焼いたものですので、雨水が染み込んでいくということがあります。
近年増加しているスレート屋根などでは成分がセメントですので塗装が薄くなってくると雨水が染み込んでいき、劣化していくということがあります。
そう考えると、頻繁に塗装補修をする必要がないのはメリットと言えます。

断熱性や遮音性が優秀である

和瓦は断熱性に優れているために一年間ずっと快適に過ごしやすいというメリットがあります。
また、遮音性にも優れているために金属屋根のように雨音が当たってうるさいということがありません。
断熱性や遮音性が優れているのは大きなメリットです。

耐久性が優秀である

屋根材は雨や風、台風などの被害などを受けやすいものとなっています。
台風などの際に者が飛んできたりすると屋根材が破損してしまうことがあるのです。
しかし和瓦は他の屋根材と比べても耐久性が高いものとなっています。
そのため、破損しにくい、劣化しにくいというものとなっています。
耐用年数は他の屋根材と比べて圧倒的に長いものとなっており、50~100年、それ以上持っているものも数多くあります。
「長持ちさせたい」という点ではダントツの優秀さだと言えるでしょう。

日本家屋に合いやすい

日本の伝統的な家屋、和風な家にはやはり和瓦は相性の良いものとなっています。
もっともマッチしやすい屋根材となっているため、落ち着いた外観になりやすいのです。
また、高級感、重厚感を与えることができる屋根材でもあるため、そういった雰囲気にしたいという場合にもおすすめです。

和瓦を利用するデメリットとは

デメリット

メリットの多い和瓦ですが、利用する際にはいくつかのデメリットもあります。
ここではそれらのデメリットを紹介していきます。

耐震性に不安がある

和瓦は高い耐久性があるのですが、それだけ重量がある屋根材でもあります。
スレート瓦などと比べても2倍ほどの重さがあるため、かなりの重量となっています。
重量があるとそれだけ家に負担をかけることとなり、耐震性が低いものとなります。
地震が多い地域、地震が気になるという人にはあまり向いていないとも言えるでしょう。

初期費用が高額になりやすい

金属屋根などと比べると和瓦は初期費用が高くなりがちです。
これは和瓦自体の単価が高いということに加えて、他の屋根材よりも施工費、工賃が高くなりやすいということが関係しています。
屋根材の費用を抑えたいという場合にも向いていないと言えます。

和瓦の点検ポイントとメンテナンスのタイミングとは

瓦の割れ

和瓦の点検ポイントはどういった点に注意すれば良いのでしょうか。
ここではメンテナンスのタイミングと合わせて紹介していきます。

瓦がズレてきている、割れている

和瓦は粘土を焼いてできている屋根材ですので、他の屋根材のように塗装補修を行う必要がありません。
ただ、瓦を噛み合わせながら葺いているために瓦同士がぶつかり続けていると角の部分が丸くなったり、ズレてきたりすることがあります。
また、台風のような強風の時にはそれで瓦がズレてしまうこともあります。
こうしたズレが多く出てくるようになると補修をする必要が出てくると言えます。
もちろん瓦が割れている、ヒビが入っている場合なども補修の必要があります。

漆喰部分が劣化している

瓦自体が破損していなくても漆喰部分が劣化することがあります。
漆喰が劣化すると棟瓦がズレてしまうということがあります。
漆喰はどうしても経年劣化していくものですので、5~10年ほどに一度漆喰部分の点検や詰めなおし補修を行う必要があると言えます。
漆喰の劣化がひどくなると棟がズレていく、崩れていくということがあります。
こうなると棟瓦の補修工事が必要となる場合があります。

▷屋根修理に使う漆喰と南蛮漆喰とは?

防水紙の劣化や破損

瓦の下部分には防水紙が敷かれています。
こちらも瓦が無事であったとしても防水紙が経年劣化することがあります。
防水紙が劣化していくと瓦の隙間部分から入り込んだ雨水が屋根の内部に侵入することとなります。
屋根の内部に雨水が侵入していくと雨漏りやシロアリが発生することにもつながりますので、できるだけ早く対処することが必要となります。
防水紙は20年程度で劣化、破損することが多くなっていますので、これくらいの期間を目安に点検していくと良いでしょう。

まとめ
和瓦は耐久性が高く、表面の塗装補修メンテナンスを行う必要がないということだけでなく、断熱性や遮音性が優れているというメリットがあります。
また、瓦自体は50~100年程度とかなり長い耐用年数となっているのも強みです。
ただ、瓦自体が無事であっても漆喰部分や防水紙が劣化していくことがありますので、これらの経年劣化のタイミングに合わせてメンテナンスを行っていくと無駄が発生せずに効率的だと言えるでしょう。

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