2021年9月27日
「漆喰(しっくい)」というものをご存じでしょうか?
日本の伝統的な家屋では壁などにも使われていますが皆さんが良く目にするのは瓦屋根に使用されている漆喰だと思います。
今回は瓦屋根に使用されている漆喰についてその役割や種類についてご紹介します。
瓦屋根で使用されている漆喰の内、普段外から確認できる部分は瓦の隙間、もしくはつなぎ目に見えている白い詰め物の部分です。
瓦屋根に使用される漆喰の役割は、屋根の棟と瓦の間の隙間を埋めて瓦の下にある葺き土を雨風から守り瓦と瓦を接着させる目的で使われます。
写真の箇所は三日月の形をしている事から「三日月漆喰」と呼び職人の腕によって見た目の仕上がりに差が出る漆喰工事の中でも大きなポイントです。
漆喰には複数種類があり代表的なものは上記で紹介した白い漆喰です。施工後の見た目も綺麗でいかにも日本の瓦屋根という印象を与えますね。
もう一種類、外から見える事はありませんが瓦の中など接着を主な目的とし見栄えに影響が無い場所で使う「南蛮漆喰」という種類の漆喰があります。
南蛮漆喰は葺き土の代わりや葺き土と併用して使用します。白の漆喰とは違いシリコンや防水材等が含まれており雨水に強いのが特徴ですが見た目は通常の漆喰とは異なり黒色をしています。
本来見えない場所へは南蛮漆喰を使用し表から見える場所へは白の漆喰を使う事が通常の施工とされていますが、近年屋根工事の際に使用する漆喰をすべて南蛮漆喰を使って施工を行う業者も出てきました。
単価が安く漆喰を使い分ける必要も無いので施工も楽なのが大きな理由です。
しかしこれは完全な業者の都合であり伝統的な瓦屋根に対する本来の施工ではありません。
漆喰、南蛮漆喰共に正しく使用することで材料が持つ本来の機能がしっかりと活かされ家を雨風から守ることができるのです。
漆喰工事をする際はどんな漆喰を使用してどのような施工をするか事前に業者へ確認することをおススメします。
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