ウェルスチールが教える屋根の豆知識

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屋根の豆知識

屋根の防音性?屋根材がもたらす暮らしへの意外な効果とは

2025年5月28日

住宅の防音性や断熱性は、快適な生活を送るうえで欠かすことのできない大切なポイントの1つです。これらは、屋根材の種類によって大きく変化することをご存知でしょうか。この記事では、屋根材の種類と防音性・断熱性の違い、屋根の防音性を高める方法を詳しく解説します。住宅の新築を検討している方や屋根材選びに迷っている方、住宅の防音性を向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。

屋根材の種類と防音性の違い

屋根材によって住宅の防音性は大きく異なります。一般的に屋根の防音性は、屋根材の厚みに比例して高くなる傾向にあります。屋根材ごとの防音性の違いは次の通りです。

✔瓦屋根
✔スレート屋根
✔トタン屋根
✔ガルバリウム鋼板屋根

瓦屋根

瓦屋根の中でも代表的な粘土瓦について解説します。粘土を成形し高温で焼いて造られる粘土瓦屋根は、非常に高い防音性があります。音の伝わりを壁や床などで遮断し、反対側への音の透過を防ぐことを「透過損失」と言い、壁や床の密度が高く厚いものほど透過損失が大きくなり、音が伝わりにくくなる性質があります。瓦屋根に代表される粘土瓦は、密度の高い粘土を原料にしていることに加え、20mm前後の厚みがあるため、外部の騒音を吸収しやすい素材です。また、瓦の形によっても防音性能に影響を与えると言われており、細かい波型のように表面の凹凸がある瓦では、音や音波振動を反射・散乱させやすくなるため、外部からの騒音を和らげる効果が期待できます。

スレート屋根

スレート屋根には、天然スレートと化粧スレートがあります。粘板岩でできた天然スレートは、一般住宅ではほとんど使用されなくなったため、ここでは、多くの住宅に使用されている化粧スレートについて解説します。セメントと繊維素材を混ぜ合わせた化粧スレートは、比較的高い防音性能を持っています。5mm前後の厚みがあり、原料がセメントであるため質量が比較的大きく、高い防音効果を発揮します。雨音や騒音をセメント質のスレートが吸収し、音の反響を抑える効果があります。ただし、スレートは薄く軽量な屋根材であるため、粘土瓦ほどの厚みや密度はなく、激しい騒音に対しては防音性能の不足を感じる場合もあります。

トタン屋根

薄い金属鋼板に亜鉛をめっきしたトタン屋根は、軽量な屋根材として広く使用されていました。現在、一般住宅に使用されることはほとんどありませんが、工場や倉庫の屋根材として使用されていることがあります。トタン屋根の防音性は低く、雨音でも「カンカン」「バラバラ」と響くように聞こえます。薄い金属鋼板の性質として、雨音や騒音などが音の振動として響きやすく、反対側へ音を透過させやすい構造になっているためです。薄い金属でできた楽器のシンバルが、音を遠くまで響かせるのと似た構造です。トタン屋根の防音性を高めたい場合は、防音材や遮音シートなどを組み合わせて使用する方法があります。これらを組み合わせることで、薄い金属鋼板特有の振動を抑えて、騒音を響きにくくする狙いがあります。防音性を優先したい場合にはおすすめしづらいトタン屋根ですが、トタン屋根の使用が前提にある場合には、防音性の要件や環境条件を考慮し、防音材や遮音シートなどの併用がおすすめです。

ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板屋根は、金属鋼板にアルミニウム・亜鉛・シリコンをめっきした金属屋根材です。軽量かつ非常に高い耐食性を持つため、トタンに代わる高耐久の金属屋根材として多くの住宅や工場・倉庫の屋根に採用されています。トタンと同じく、厚みが0.35mm前後の薄い金属鋼板であるため、防音性は高くありません。ですが、トタンと異なり、断熱材一体型の製品が多いため、ある程度の防音性が確保できるメリットがあります。これは、鋼板の裏面に配置された硬質ウレタンフォームなどの断熱材が、雨音などの騒音により発生する鋼板の振動を抑える働きがあるためで、薄い金属鋼板特有の弱点であった防音性の低さをカバーすることに繋がります。屋根に軽量な素材を採用したい場合には、トタンに比べて耐久性・防音性の高いガルバリウム鋼板をおすすめします。

断熱性も住み心地を左右する大切なポイント

防音性の他に、屋根の断熱性も住宅の住み心地を左右する大切なポイントです。断熱性を高めることで室内の温度変化を抑えられるため、1年を通して住宅内を快適な温度に保ちやすくなり、冷暖房費の節約に繋がります。ここでは、それぞれの屋根材の断熱性について解説します。

✔瓦屋根
✔スレート屋根
✔トタン屋根
✔ガルバリウム鋼板屋根

瓦屋根

粘土瓦屋根は、様々な屋根材の中で最も断熱性の高い屋根材です。素材の密度が高く厚みがあることに加えて、瓦と下地である野地板の間に空間ができるため、外気の熱や冷気を屋根裏に通しにくい性質があります。瓦屋根は、防音性・断熱性・耐久性が非常に高く、高性能な屋根材として古くから多くの日本家屋に使用されてきました。反面、他の屋根材に比べて重量があるため、耐震性の観点から近年では採用されずらくなっています。瓦屋根は、屋根の軽量化を最優先したい場合にはおすすめできませんが、高い断熱性や防音性・耐久性を優先したい場合におすすめです。

スレート屋根

スレート屋根の断熱性は、あまり高くありません。素材に一定の厚みがありますが、粘土瓦ほどの厚みはなく、屋根材と野地板との間に空間がほとんどないため、外気の熱や冷気がスレートと野地板を通って屋根裏に伝わりやすい構造になっています。スレート屋根の断熱性を向上させたい場合には、屋根裏に断熱材を追加する方法や、遮熱効果の高い塗料を使用する方法があります。スレートの重さは、粘土瓦の1/3程度であり、価格も比較的安価なため、低コストで屋根の軽量化とデザイン性を両立させたい場合におすすめです。

トタン屋根

トタン屋根の断熱性はほとんどありません。薄い金属鋼板であるトタンは熱伝導率が高く、外気の熱や冷気を裏面に伝えやすいため、夏場には屋根裏の温度が上がりやすくなり、冬場には屋根裏の温度が下がりやすくなります。トタン屋根で断熱性を向上させたい場合には、スレート屋根と同じく、屋根裏への断熱材の追加が必須です。

ガルバリウム鋼板屋根

ガルバリウム鋼板屋根は、トタン屋根と同じく断熱性がほとんどありません。ですが、前述したように、ガルバリウム鋼板には断熱材一体式のものが多いため、断熱性を高めたい場合には、そのような製品を選択すると良いでしょう。また、遮熱塗料を使用するのも効果的です。トタン屋根と異なり、金属鋼板特有の熱伝導率の高さをカバーする性能を持った製品が多いことも、ガルバリウム鋼板屋根の特徴の一つです。ガルバリウム鋼板は、粘土瓦の1/10程度の重さであるため、屋根を大幅に軽量化できます。屋根を大幅に軽量化しつつ断熱性能も確保したい場合におすすめの屋根材です。

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屋根の防音性を高める方法

リフォームのイメージ画像

屋根の防音性を高める方法には、次の2つがあります。

✔断熱材・制振材・吸音材を追加する
✔カバー工法・葺き替えによる屋根のリフォーム

断熱材・制振材・吸音材を追加する

断熱材は、その名の通り断熱を目的にするのもですが、防音・遮音を目的とした制振材・吸音材を屋根や屋根裏に追加する方法もあります。制振材は、金属鋼板の音による振動を抑えるもので、屋根鋼板裏面にガムテープのように張り付けて使用します。吸音材は、屋根や壁の内側に設置するもので、インシュレーションボードやグラスウール、シート状のものがあります。いずれも大掛かりな施工が必要ですが、屋根材を変更することなく防音性を向上させたい場合には効果的な方法です。

カバー工法・葺き替えによる屋根のリフォーム

カバー工法や葺き替えによる屋根のリフォームも、防音性を向上させる効果的な方法です。カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる工法で、屋根材を2重にできるため、雨音や騒音などの影響を抑えられます。ただし、既存の屋根の劣化が激しかったり、屋根材によってはカバー工法ができないため、注意が必要です。屋根葺き替えは、既存の屋根を撤去し、新しい屋根材を設置する方法です。防音性の低い屋根材から防音性の高い屋根材に変更することで、根本的な解決ができるためおすすめですが、大掛かりな工事と高額な施工費が必要です。屋根の劣化が進行していて、かつ現在の防音性に不満がある場合には、屋根リフォームのタイミングで、防音性の高い屋根材への葺き替えを検討しましょう。

まとめ

この記事では、屋根材の種類と防音性・断熱性の違い、屋根の防音性を高める方法を詳しく解説しました。4つの屋根材の中で、防音性・断熱性が最も高い屋根材は瓦屋根です。瓦屋根は、高性能な屋根材として多くの住宅に採用されてきましたが、昨今では耐震性を重要視する声が高まり、採用されるケースが少なくなっています。ガルバリウム鋼板は薄い金属鋼板ですが、断熱材一体型の製品が多いため、本来の弱点である防音性・断熱性の低さをうまくカバーしています。ガルバリウム鋼板は、「軽量な屋根材を採用したいけれど、防音性・断熱性も確保したい」といった方におすすめです。屋根の防音性を高める方法には、吸音材などを追加する方法と、カバー工法・葺き替えによる屋根のリフォームをする方法があります。予算や屋根の劣化タイミングを考慮し、住宅環境に合った最適な方法を選択しましょう。

埼玉県春日部市のウェルスチールは、屋根修理職人直営店です。屋根の防音性や断熱性は住み心地に大きく影響する重要なポイントの1つです。お住まいの住宅の防音性や断熱性にお悩みの方は、ぜひウェルスチールまでお気軽にお問い合わせください。ご予算に応じて最適なご提案をさせていただきます。

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