2024年3月21日
埼玉県春日部市では北海道や北陸地方ほどの大雪が降ることは少ないのですが、それでも
稀に大雪が降ることがあります。
こうした大雪はさまざまな災害をもたらすのですが、「すが漏り」もその一つです。
そこでここでは雪が原因で起こる「すが漏り」について紹介していきたいと思います。
なじみがない地方の人は聞いたことがないかもしれません。
そこでまずは「すが漏り」がどういったものなのかについて紹介していきます。
「すが漏り」は「すが漏れ」と呼ばれることもあります。
「すが」とは東北弁で「氷」を意味しています。
屋根に大量の雪が積もり、その雪が建物内の熱によって暖められて解けていきます。
この雪解け水が屋根先、軒先などで凍ってしまうことによってここに氷の壁のようなものを作ってしまいます。
この氷の壁が屋根から流れてくる水をせき止めてしまうこととなり、適切に雨樋に水を流していくことができなくなってしまいます。
こうして行き場のなくなった水が屋根の隙間や結合部分から内部に侵入していくこととなります。
これが「すが漏り」です。
よく似たものとして「すが漏り」と「雨漏り」が扱われることがありますが、この2つは違うものです。
すが漏りは屋根材や板金などに劣化や破損といったトラブルがなくても起こります。
雨漏りは屋根材や板金が劣化、破損していることによって起こるものです。
また、すが漏りは屋根に雪が積もり、気温の低さによって氷ができるような冬に発生する現象ですが、雨漏りは雨水が建物内部に入り込むことによって発生するものですので雨が多い時期や台風の時期などに多く発生します。
このようにすが漏りと雨漏りは明確に違うものなのです。
これによって室内に水が漏れてきたとしても、それがすが漏りなのか雨漏りなのかを判断できるようになります。
雪が降っていない時期に雨が降っただけで水が漏れてきた場合は雨漏りでしょう。
その場合はどこが雨漏りの原因となっているのかを調べる必要があります。
素人では判断するのが難しいため、専門業者に任せた方が安心です。
単純に屋根材が破損しているという理由だけでなく、「ベランダ部分」「窓、サッシ部分」「外壁」「雨樋」など色々な場所が雨漏りの原因となります。
原因をはっきりさせた上で補修工事を行うのが効率的となります。
また、どこの部位も劣化、破損していないのに雪が降っている時期に水が漏れてきた場合はすが漏りである可能性が高くなります。
屋根の上に雪が積もっている時などはなおさらです。
ひどい場合は屋根の上の雪をどけてみたら、分厚い氷の層ができていたということもあります。
すが漏りと雨漏りでは対処法も違っているのでまずは見極めていくことが重要です。
ではすが漏りはどういったことが原因で発生するのでしょうか。
ここではすが漏りが発生する原因を順に紹介していきます。
まず雪が降って、その雪が屋根の上に積もっていきます。
室内の方が室外よりも暖かいため、その室内の暖かさが屋根にも伝わって積もった雪が解け始めていきます。
こうした雪解け水は屋根を伝って軒先へと移動していきます。
しかし室外は雪が降るほど気温が低いため、その水が軒先で凍って「氷の塊」「つらら」ができます。
この氷の塊によって水が適切に雨樋に流れなくなってしまい、屋根の上に水がどんどん溜まっていきます。
この行き場のなくなった水が屋根の隙間、つなぎ目などから内部へと浸入していくのです。
こうしてすが漏りが発生します。
すが漏りが発生してしまうと対処が大変なので、できれば発生することを防ぎたいところです。
そこでここではすが漏りが発生しやすい条件について紹介していきます。
すが漏りは雪や氷が原因となって発生する現象ですので、雪が多く降る、氷ができるほど気温が低いという地域でよく発生します。
そのため、もともと雪が多いという地方では特に注意が必要です。
また、雪が積もっても強い日差しですぐにその雪が溶けていくような屋根であれば問題ないのですが、日当たりが悪く、雪が溶けにくい、氷ができやすいという屋根の場合はすが漏りが発生しやすくなります。
雪国では屋根の上に雪が積もりにくいように勾配が急になっていることが多いのですが、あまり雪が降らない地方では勾配が緩やかな場合があります。
屋根の勾配が緩やかだと、雪がすぐに下に落ちてしまわずに屋根の上にとどまり続けることとなり、屋根に氷が張りやすくなります。
屋根の上で氷が張るとすが漏りが発生しやすくなります。
屋根の塗装が劣化していると、雪が滑りにくくなり、屋根の上にとどまりやすくなってしまいます。
塗装が劣化している、剥げている、という場合や屋根材の一部が破損しているという時にはすが漏りが発生しやすくなります。
こうした屋根の場合は雪が屋根の上にとどまりやすくなり、氷も張りやすくなります。
軒先に頻繁に「つらら」ができるという場合などは要注意だと言えます。
ではすが漏りが発生するのを防ぐためにはどうすれば良いでしょうか。
ここではすが漏りの対策方法について紹介していきます。
雪が屋根の上にとどまるとすが漏りが発生しやすくなります。
そのため、雪が降る地域ではできるだけ屋根の勾配を急にした方が良いでしょう。
また、屋根の構造、形状が複雑になると雪がスムーズに落ちないということがあります。
雪が移動しやすいような形状の屋根にするということも重要です。
すが漏りは屋根の上に積もった雪が室内の温度上昇によって屋根が暖められ、その熱によって溶けるということが原因で発生します。
そのため、室内の温度が屋根に伝わらなければ屋根の上で雪や氷が溶けるということも防げるということになります。
室内が暖房などで高温になったとしても、その熱が屋根にまで伝わらないように天井断熱を利用するというのがおすすめです。
屋根の表面の塗装部分が劣化してしまうと雪が滑りにくくなり、屋根の上に雪が溜まりやすくなります。
そのため、定期的に塗装メンテナンスを行う必要があります。
塗料にはさまざまな素材のもの、性能のものがあります。
雪が多い地域では、それに対応した塗料を選んでいくということも重要だと言えます。
塗料ごとに耐用年数が違っていますので、それも計算に入れてメンテナンスを行っていきましょう。
すが漏りを防ぐために効果的な方法として「雪下ろし」「除雪」があります。
屋根の上に雪が溜まっていることが問題となりますので、屋根の上の雪を下ろしてやる、除雪するということが重要となるのです。
こうして雪や氷を防ぐことによって屋根の排水能力を復活させればすが漏りは防ぐことができるのです。
ただ、雪下ろしには注意しなければならないことがあります。
ここではそれらの注意点を紹介していきます。
屋根の上での作業は非常に危険な作業です。
毎年屋根の雪下ろしをしていた人が滑落して死亡したというニュースがあるほどです。
もともと屋根の上での作業は危険性が高いため、専門業者が行うというのが基本です。
しかも雪下ろしをする際には屋根が「濡れている」「凍っている」という状態のため、より滑りやすくなっており危険性が高くなっています。
雪国の人などは「慣れているから」という気持ちで作業をすることがあるのですが、これは危険な考え方です。
どうしても屋根の上で雪下ろしをするという場合には慎重に慎重を重ねた上で安全に配慮して行うことが重要です。
雪下ろしをしている際に雪や氷を目がけたつもりがスコップなどの器具が屋根材に当たって破損させてしまうということもあります。
金属屋根を傷つけたりすると、そこから錆びたりすることも多く、耐用年数が短くなってしまいます。
スレート屋根や瓦屋根は割ってしまう、破損させてしまうということがあります。
ひどい場合は大きな穴を開けてしまうということもあります。
屋根の上で転倒した際に体や器具によって壊してしまうことがあるのです。
せっかく雪を落としても屋根材を破損させてしまっては意味がありません。
屋根材を傷つけないように作業をしていくことが重要です。
色々と対策をとってもすが漏りが発生するという場合には、「水密工法」の屋根材を利用するという方法もあります。
「ダンルーフ」のような水密工法の屋根材を利用することで、すが漏りや雨漏りを防ぐことができます。
ここではそんな水密工法の屋根材について紹介していきます。
水密工法の屋根材では流れ方向の締結部にエアーポケットが配置されており、これによって毛細現象が起こらないようにして水が内部に侵入するのを防いでくれます。
また、横方向についてはジョイントやキャップの形状によって水が入らないような水返しの構造となっています。
吊子部とハゼ部などはしっかり組み合わされるようになっており、簡単には外れないようになっています。
また、横方向についてはエキスパンションジョイントが効果的に稼働することで伸縮できるようになっており、強風や地震にも強い屋根材となっています。
すが漏りは本来雪が多い地域で発生するものですが、普段あまり雪が降らない地域でも大雪が降ったりするとすが漏りが発生する場合があります。
春日部市でも発生する場合がありますので、もし雪の時期に水漏れが起きた場合はすが漏りかもしれません。
少しでも異変を感じた際にはお気軽にご相談下さい。
お問い合わせから対応までの時間をなるべく短く、すぐに施工できるよう尽力しております!
雨漏りなどの目に見える被害が出ている場合は修理までに時間がかかるとどんどん工事が必要な個所も増え、大掛かりな工事になってしまうからです。お客様の立場になって、決してお待たせしないとお約束します!
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▷屋根の形状は雨漏りリスクと繋がっている?雨漏りに強い家とは?
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