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屋根の豆知識

屋上やベランダなどの「パラペット」とは?雨漏りしやすいって本当?

2024年9月19日

ビルやマンションの屋上やベランダ、バルコニーの一番外側の部分に少し高くなっている壁のような部分があります。
これが「パラペット」と呼ばれる部分です。
防水性を高める、美観を整えるなどさまざまな役割を果たしているこの部分ですが、あまり用途については知られていません。
また、この部分があるから雨漏りの原因となっていると言われることもあります。
そこでここではパラペットの役割や雨漏りとの関係性について紹介していきたいと思います。

パラペットとはどういったものか

ビルやマンションなどの屋上に当たり前のようにあるパラペットですが、実際にはどのようなものなのでしょうか。
ここではパラペットの概要、形状などについて紹介していきます。

パラペットの概要について

パラペットは建物の屋根、屋上、ベランダやバルコニーなどの一番外側の外周部分に設置された壁です。
基本的には低いものが多く、転落防止にはあまり役立ってはいません。
もちろんある程度の高さがあるものもありますし、パラペットがないよりもあるほうが転落防止になっているのは間違いないといえます。
基本的には防水性を高める、美観を整えるために設置されているのですが、メンテナンスを行うのを怠るとそこが原因で雨漏りにつながる場合もあります。

パラペットが設置される屋根の形状とは

まずビルやマンションの屋上のような陸屋根の場合はほぼ必須でパラペットが設置されています。
ただ、他の形状の屋根でもパラペットを設置することはできるようになっています。
陸屋根では周囲4方向すべてに設置されることとなりますが、屋根の形状によっては1方向だけに設置されることもあります。

陸屋根の場合はその日の雨の降り方や風向きなどによって色々な方向に水が流れていくこととなるために4方向すべてにパラペットが設置されており、パラペットの内側には雨水が流れていくための排水溝が設置されています。
片流れ屋根の場合は屋根の端部分の軒に雨樋を設置するために3方向にパラペットを設置することとなります。

パラペットの役割とメリット

パラペットが設置されることについてはいくつかのメリットがあります。
ここではそんなパラペットが設置されるメリット、果たしている役割について紹介していきます。

防水性の向上のため

もしビルやマンションの屋上にパラペットがないと陸屋根は勾配がほとんどなくフラットなため、雨は屋根から外壁へと直接流れていくこととなります。
こうなると外壁は雨が降るたびに汚れて傷んでいくこととなります。
外壁にサッシなどがあればそこで雨水が溜まってしまうことにもなりますし、そこから建物内部に水が浸入するということもあります。
そのためにパラペットを設置し、屋根に降った雨水を排水溝や雨樋などを使って適切に排出していくのです。
こうして外壁を保護することができるのです。

デザイン性を高めて美観を向上できる

昔は一般的な住宅といえば三角屋根の形状が多かったのですが、近年は箱型、キューブ型の住宅も増えてきています。
シンプル、モダン、おしゃれということで求められてきているのですが、キューブ型の建物は屋根が陸屋根になることでパラペットを設置する必要が出てきます。
また、最近では片流れの屋根の外側部分にパラペットを設置することで外から見るとキューブ型の建物に見えるという住宅も増えてきています。
このようにデザイン性を高めるためにもパラペットは利用されているのです。

広告、宣伝に利用しやすい

パラペットがあるとそこに旗や看板などを設置しやすいということもあって広告宣伝に利用しやすいというメリットがあります。
デパートなどではパラペット部分に大きな看板や幟を設置することもありますし、自宅と店舗が一体化している建物でもパラペット部分に看板を設置するということがよくあります。
このようにパラペットは広告宣伝にも利用しやすいのです。

パラペットの雨漏りとの関係性とは

防水性を高めるといったメリットがるパラペットですが、実際に利用していく上ではデメリットもありますし、雨漏りとの関係性もあります。
そこでここではパラペットを利用する際の雨漏りとの関係性について紹介していきます。

パラペットは構造的に雨漏りがしやすい

パラペットが設置されているということは雨水を自然な流れとして外部に排出をしていくのではなく、パラペットの内側の排水溝や雨樋に溜めるようになっているということになります。
パラペットの内側の排水溝やパラペットに設置される雨樋は建物の内側に位置していることとなるため、ここでトラブルが起きると雨漏りが室内に起きやすいということになります。
一般的な住宅の雨樋の真下には何もないのですが、パラペットの雨樋の下は室内というのが雨漏りが発生しやすい理由と言えるでしょう。

もっとも雨漏りしやすいのは排水溝、排水口である

ビルやマンションの屋上のような陸屋根に雨が降ると雨水はパラペットの内側の排水溝に集められて排水口へと流れていきます。
こういった排水溝や排水口はゴミ、落ち葉、砂や土などが溜まりやすい場所でもあるため、それらが詰まることで排水口から水が排出できなくなっていきます。
また、ゴミが詰まっているところに水も溜まっていくため苔が繁殖しやすい環境にもなります。

これは住宅の雨樋でも同様です。
勾配がある屋根に設置されているパラペットの内側にある雨樋は箱樋と呼ばれますが、この箱樋にゴミや落ち葉などが詰まることによって水が排出されずにあふれてしまうこととなります。
建物の内側にある雨樋ですので、ここであふれた水は室内に雨漏りとして影響してしまのです。
また、内側にあるために外部からは発見しにくいというのも被害が大きくなる原因となっています。

▷雨樋修理はどこに頼むべき?屋根修理と雨樋修理の関係性について

▷雨樋のオーバーフローは雨漏りの原因に!メンテナンス方法を解説

笠木やサッシなどからも雨漏りがしやすい

パラペットの上の部分には防水性を高めるために「笠木」が設置されています。
近年では耐久性や防水性能が高いために金属製のものが使用されることが多いのですが、これらは経年劣化していくことがあります。
笠木の目地部分や釘穴、ビスの隙間などから雨水が浸入していくことがあります。
笠木の下にはルーフィングと呼ばれる防水紙が設置されていますが、水が浸入し続けることによってルーフィングも劣化していきます。
こうして笠木部分から雨漏りが発生していくことがあるのです。

また、窓枠、サッシなどからも雨漏りが発生しやすくなります。
一般的な住宅の屋根は外壁よりも外側に張り出しており、外壁に直接雨水がかかりにくいようになっています。
さらに軒部分が出ているほどその効果は高まります。
しかしパラペットが設置されている場合は外壁と垂直にパラペットがあるだけとなりますので、外壁には直接雨水がかかり続けることとなります。
そのため、窓枠やサッシの周辺へのダメージが大きいものとなり、この周辺が劣化しやすくなってしまうのです。
パラペットがある屋根で庇などを設置しようとすると外壁に穴を開けて設置することとなります。
外壁に穴を開けることはそこから雨水が浸入しやすくなるという危険性もありますので注意が必要と言えます。

パラペットのメンテナンスについて

パラペットはその形状から雨漏りがしやすいという特徴があります。
それを防ぐためには定期的にメンテナンスを行い、正常に機能する状態を維持していくことが重要となります。
ここではパラペットのメンテナンス方法について紹介していきます。

笠木のメンテナンス方法

笠木は太陽光や雨水を直接受けやすいために劣化しやすい部位でもあります。
笠木はセメントなどの窯業系、ステンレス製、アルミ製、金属製などいろいろな種類のものがあります。
窯業系、金属製のものについては定期的に塗装メンテナンスを行う必要がありますし、すべての種類の笠木でつなぎ目に隙間ができていないかを確認しなければいけません。
隙間から雨水が大量に浸入してしまっている場合には笠木の下部分の外壁をまるごと補修しなければならないようになります。

笠木は塗装メンテナンスを行うことで補修できるのであれば塗装メンテナンスを行い、無理なほど劣化しているのであれば新しいものに交換することとなります。

箱樋のメンテナンス方法

パラペットの内側にある箱樋と呼ばれる雨樋は非常にトラブルが多い場所です。
ゴミや落ち葉が飛んできてもパラペットによって風が遮られてしまうためにそこに残りやすいのです。
こうしてゴミや落ち葉が箱樋に溜まっていくと詰まらせることとなり、雨水があふれることとなります。
こうした箱樋は板金で作られることが多いため、落ち葉が腐食すると板金も一緒に腐食してしまうこととなります。
これを防ぐためには定期的にゴミや落ち葉を取り除くといった清掃作業や板金が腐食しないように定期的に塗装メンテナンスを行うという必要があります。
すでに腐食してしまっている場合は新しいものに交換する必要があります。

これは排水溝、排水口なども同様です。
しっかりと水が流れているかどうか、ゴミや落ち葉が詰まっていないか、部材が劣化していないかということを定期的に確認し、不具合がある場合にはできるだけ早く対処するということがポイントだと言えます。
特に部材が劣化している場合は部分補修を行うよりも新しいものに交換するほうがおすすめです。

まとめ

ビルやマンションの屋上、バルコニーなどに設置されることが多いパラペットは防水性を高める、美観を整えるといった効果が期待できるものではありますが、風を遮ってしまう、直接外壁に雨水がかかる、排水溝や排水溝にゴミが詰まりやすいといった理由で雨漏りがしやすい構造でもあります。
定期的に清掃を行う、塗装メンテナンスを行うことによって正常な状態を維持していくことが重要だと言えます。

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