屋根のルーフィングの役割を知って賢い屋根修理を!
2023年1月30日
屋根の修理をしたいけど、どうすれば良いの?
屋根の修理にはルーフィング選びが大事って聞いたけど、ルーフィングって何?
話を聞いたけど良くわからない。
そんな疑問や悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
この記事では、以下の内容を解説していきます。
・ルーフィングとは何か
・ルーフィングの役割や重要性
・ルーフィングの種類、メリット・デメリット
屋根のルーフィングは建物の劣化を防ぐ、とても重要な建築部材です。
この記事を参考に、ルーフィングの重要性を理解して、賢い屋根の修理をしていきましょう。
ルーフィングとは?
ルーフィングとは、屋根を雨漏りから防ぐシート状の建築部材のことです。
下葺き材(したぶきざい)やルーフィングシートとも呼ばれ、屋根材の下に敷く防水シートです。
一般的な戸建て住宅には必ず使われる建築部材になります。
ルーフィングの役割
ルーフィングの役割としては、「雨漏りを防ぐこと」です。
すべての雨を屋根材だけでは防げないため、次に防ぐ役割としてルーフィングがあります。
ルーフィングの機能としては、屋根材の隙間から入った雨を下地材に染み込ませずに外に排出することで完全にシャットアウトできます。
雨漏りは家が劣化する大きな要因となります。
このルーフィングがあることで大切な家を長く保つことができるのです。
ルーフィングの種類
ルーフィングの種類はどんなものがあるのでしょうか。
ルーフィングには大きく2種類あります。
透湿系のルーフィング
透湿系の特徴としては、湿気を逃がす機能があります。
通気構法という、屋根材と下地の間に空気の通り道の隙間を作る工事が必要になり、施工費用が高額になる工法ですが、結露が発生しやすい高断熱の住宅にはおすすめです。
シートの種類としては、以下があります。
・透湿防水ルーフィング
非透湿系のルーフィング
非透湿系の特徴としては、密着性があり、止水性が高いのが特徴です。
シートの種類としては、以下があります。
・アスファルトルーフィング
・改質アスファルトルーフィング
・高分子系ルーフィング
・粘着層付きルーフィング
・不織布ルーフィング
・遮熱ルーフィング
各シートの特徴やメリット・デメリットは次の項目で見ていきましょう。
ルーフィングのメリット・デメリット
ここでは、透湿系、非透湿系を含めて、7種類のルーフィングのメリット・デメリットを紹介します。
透湿防水ルーフィング
透湿防止ルーフィングは、湿気を逃がす性能をもったルーフィングです。
屋根通気工法で屋根をリフォームする場合や通気性のある屋根材でリフォームする場合に向いています。
メリット
・防水性に加えて、透湿性が高い
・施工がしやすい
・耐用年数が50年と長い
デメリット
・価格が高い
・施工に時間がかかる
アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングは、厚さのあるダンボールにアスファルトを染み込ませて作られるもので、住宅での普及率は一番です。
価格が安いため、とにかく安くおさえたい人向けのルーフィングです。
・メリット
止水性が高く、価格が安い
・デメリット
耐用年数が8年〜10年と短い
基本は、紙質製品のため破れやすい
改質アスファルトルーフィング
アスファルトルーフィングと同じ原料ですが、ポリマーや合成樹脂を配合し、耐久性を約2倍に強化したものです。
ゴムのような弾力性でゴムアスルーフィングと呼ぶこともあります。
・メリット
耐用年数が20年〜30年と長い
アスファルトに比べて破れにくい
・デメリット
アスファルトルーフィングより価格が高い
湿気が逃げにくい構造のため凍結する可能性がある
高分子系ルーフィング
高分子系ルーフィングは、合成ゴムや合成樹脂の塩化ビニルを主原料とし、アスファルトを使用していないルーフィングです。
アスファルトを使用していないので軽量なのが特徴です。
ルーガやスレートなどの耐震性に配慮した重い屋根におすすめです。
メリット
・軽量で伸縮性があり、破れにくい
・価格が安い
デメリット
・下地の形状によっては使用できない場合がある
・紫外線の影響を受けやすい
・耐用年数が15年と短い
粘着層付きルーフィング
粘着層付きルーフィングは、裏地がシールタイプになっているルーフィングシートです。
通常のルーフィングは、タッカーと呼ばれる大きなホチキスで下地に張り付けますが、ルーフィングの裏側がシールになっているので、そのまま貼り付けられます。
通気層がある緩い勾配の屋根に向いています。
メリット
・複雑な形状の屋根に向いている
・密着性と防水性が高く、雨漏りしにくい
・耐用年数が30年と長い
・屋根や下地を傷めずに貼ることができる
デメリット
・価格が高く、アスファルトシートの2倍程度する
・湿気を逃がしにくい
不織布ルーフィング
不織布ルーフィングとは、その名前のとおり不織布が原料のルーフィングシートです。
最近では人気が高く、破れに強く、破れにくいのが特徴です。
メリット
・破れにくく、耐久性が高い
・柔軟性があり、下地の形に合わせられる
・耐用年数が30年と長い
デメリット
・価格が高い
遮熱ルーフィング
遮熱ルーフィングとは、ルーフィングシートの表面に熱気を反射させるアルミの反射板があるルーフィングです。
通気層のある屋根材でリフォームする人向けです。
メリット
・遮熱効果が高く、室内を快適に保つことができる
デメリット
・専門知識と高い施工技術が必要
ルーフィングの価格と耐用年数
各ルーフィングの単価相場と耐用年数の目安は以下のとおりです。
種類 | 単価相場(1㎡あたり) | 耐用年数 |
アスファルトルーフィング | 200円〜 | 10年〜15年 |
改良アスファルトルーフィング | 300円〜500円 | 20年〜30年 |
高分子系ルーフィング | 700円〜1000円 | 約15年 |
透湿系ルーフィング | 500円〜700円 | 50年以上 |
粘着系ルーフィング | 600円〜900円 | 約30年 |
不織布 | 500円〜800円 | 約30年 |
遮熱 | 700円〜900円 | 約20年 |
ルーフィングの選び方のポイント
最後にルーフィングの選び方のポイントを解説します。
屋根材よりも耐用年数が長いものを選ぶ
ルーフィングシートを施工する場合、基本的に屋根材を一度撤去する必要があります。
一度撤去すると再利用が出来ないので、せっかく高い屋根材を施工しても、ルーフィングシートの耐用年数の方が短いと雨漏りをする可能性があります。
そうならないためには、屋根材よりも耐用年数の長いルーフィングシートを選択するのが良いでしょう。
必ず複数業者の見積を取る
見積もりは必ず、2社〜3社の複数の業者から取るようにしましょう。
1社のみだと費用の相場がわからず、悪徳業者に騙され、高額な費用を請求される可能性があります。
工事業者からの説明をきちんと聞く
見積もり時は、防水シートの説明がある業者を選びましょう。
極端に安かったり、説明がなかったりする業者は、耐久性の低いものを指定される場合があります。
似ている品名、品番も多いので、カタログ等でしっかり確認しながら、説明を受けることをおすすめします。
まとめ
この記事では、ルーフィングの役割や重要性、ルーフィングの種類やポイント、メリット・デメリットなどを解説しました。
ルーフィングは屋根の雨漏りを防ぐ大切な役割をしています。
建物の屋根に合ったルーフィングシートを選んで、賢く屋根修理を行いましょう。