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屋根の豆知識

パミール屋根の問題は?社会問題になっている理由を解説

2023年3月17日

パミール屋根

「なんだか屋根がボロボロ」と、屋根の劣化症状に気づく方は少なくありません。
もしかすると、お住まいの住宅はパミール屋根を乗せているのではないでしょうか?
今、パミール屋根は大きな社会問題となっています。家主からのクレームをはじめ、テレビで取り上げられたり、裁判まで発展したりすることも少なくありません。
パミール屋根の特徴と共に、社会問題化している理由、解決策などをご紹介します。

パミール屋根とは

パミール屋根とは、ニチハ社で製造された屋根材です。ニチハ社は大手屋根材メーカーですが、パミール屋根は「10年程度でボロボロになる」と現在は製造中止されています。
製造販売されたのは1996年~2008年。当時、アスベストが社会問題となっていたため“代替品”として急いで作ったのがパミール屋根。アスベストの葺き替えが急務だったため、耐久性について十分な検証をおこなう時間はありませんでした。
実際、設置から7年ほどで剥離が始まり、10年も経てばミルフィーユのように層がボロボロと剥がれていきます。また釘もサビたり腐敗したりするので、屋根材が落下したりズレたりといったリスクも高まります。
ちょうど今メンテナンス時期に入っている住宅が多く、業者が実際に屋根の状態を確認してみたら「ボロボロだった」というケースは珍しくありません。一見するとスレート屋根のように見えますが、プロの業者なら正確に判別できます。住宅に乗せているのがパミール屋根であれば、すぐに工事をを検討する必要があります。

パミール屋根の見分け方

パミール屋根は、一見するとスレート屋根と似ています。

スレート屋根とパミール屋根の違い

スレート屋根

パミール屋根とスレート屋根の違い

パミール屋根

住宅の屋根材がパミールかどうかを見分けるには、「薄い縦ラインが入っているか」「先端に等間隔で凹凸がついているか」の2点がポイントです。
パミール屋根は、光に透かすと薄く縦のラインが入っています。また屋根の先端部に等間隔で凹凸がついているので、この2点に当てはまるようならパミール屋根と認識して良いでしょう。
見た目はとてもおしゃれなのに、7年~10年で劣化してしまうのは非常に残念です。

パミール屋根の工事とは

ボロボロになっていく屋根材は、怖くてすぐに撤去したくなるでしょう。
製造元であるニチハ社は、「アルマ」でのカバー工法を薦めています。アルマとはアスファルトシングル屋根材の一種で、パミール屋根を使っているならカバー工法で対応できるそうです。

アルマ

アルマ

しかし、実情はアルマを使用したいというお客様は少なく、近年最も信頼度の高いアイジー工業のスーパーガルテクトや同じニチハ社の横暖ルーフをご希望される方が多い傾向です。

スーパーガルテクト

スーパーガルテクト

横暖ルーフ

横暖ルーフ

確かにカバー工法なら廃材が出ないうえ工期も短めで、コスト的にもリーズナブルです。しかしアルマは耐久性に難ありといわれているので、中長期的な視点でも、劣化による再リフォーム時期はわりと早めに訪れそうです。
また、あまりに剥離がひどい状態だと、カバー工法は使えません。
屋根材がお菓子のパイのように膨れ上がった状態だと、葺き替えしか選択肢はないでしょう。
葺き替えの場合、コストも工期もカバー工法より長めになります。ガルバリウム鋼板エコグラーニなど、さまざまな種類があるので、ウェルスチールではお客様とお話させて頂きながら最適なものをご提案させて頂きます。

▷屋根の葺き替え工事とは?詳しく解説!
▷屋根のカバー工法とは?詳しく解説!

パミール屋根のメンテナンス

屋根材のメンテナンスで最も手軽な工法は屋根塗装です。
既存の屋根材はそのままに上から塗料を塗れば、外観はもちろん耐久性や防水性も向上します。
しかしパミール屋根において、塗装でのメンテナンスは不可能です。塗料は屋根材にしっかり乗りますが、次第に屋根材自体が剥離して割れてくるため、「最初からカバー工法(葺き替え)をしておけばよかった。塗装費用が無駄になった」と後悔することになってしまいます。

ウェルスチールではパミール屋根であれば屋根塗装は絶対に選択肢としてご提案はしませんが、経験が浅かったり知識が乏しかったりする業者さんだと、気づかず施工してしまうことも珍しくありません。外観がスレート屋根と似ていますので、メンテナンスやリフォームを依頼する際は、実績や経験が豊富な業者を選ぶようにしてください。

パミール屋根の工事を依頼する際の注意点

パミール屋根は、劣化の進行具合で「カバー工法」「葺き替え」を使い分けるのが理想です。
まだそこまで劣化が進んでいないのに葺き替えてしまうのは費用が勿体ないでしょう。反対に「この程度ならまだ大丈夫だろう」と安易にカバー工法を選択しても、実は屋根材が膨らんだすき間から雨水が侵入していた……となっては、今度はカバー工法で乗せた屋根材も、その下のパミール屋根も、下地も、すべてを剥がして再度工事しなければなりません。そうなるとカバー工法での工事に使った費用が無駄になるうえ、さらに費用が加算されることになります。
現場調査の際に、しっかり点検することが重要です。

パミール屋根に太陽光パネルを設置できる?

太陽光パネルパミール屋根

太陽光パネルパミール屋根

電気料金が右肩上がりに値上げされている昨今、「太陽光パネルを設置して少しでも光熱費を抑えたい」と考える家庭は少なくないでしょう。
しかしパミール屋根の場合、太陽光パネルを乗せるのは大変危険です。
屋根材そのものが膨らむ可能性があるうえ、釘の腐食で屋根材が落下するリスクもあります。そんな不安定な場所に、重量のある太陽光パネルを設置するのは危険極まりないでしょう。
もし太陽光パネルの設置を検討しているなら、屋根の葺き替え工事を終えてからのほうが良いでしょう。
すでにパミール屋根に太陽光パネルを設置している場合は、一度パネルを取り外して、架台穴に防水加工を施し、粘着ルーフィング、屋根カバー、つまみ工法……というようにいくつもの過程を辿れば不可能ではありません。いずれにしてもパミール屋根が今後劣化すると危険なので、太陽光パネル設置済/未済を問わず、早めに業者へご相談ください。

まとめ

パミール屋根を下から見上げても、劣化しているのかどうか判別しにくいもの。
屋根を部分的にしかチェックできないうえ、「きれいな状態のようだから大丈夫」と感じても見えない部分はボロボロかもしれません。
ウェルスチールではパミール屋根の特徴や取り扱いに精通した職人が在籍しています。心配なことや不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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