ウェルスチールが教える屋根の豆知識

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屋根の豆知識

アスベスト屋根の修理方法について解説

2023年5月8日

アスベスト含有屋根

ひと昔前、「アスベスト」がしきりにニュースで取り上げられました。
新築でアスベスト入りの屋根材を使うことはなくなりましたが、2004年までに製造された化粧スレートにはかなりの確率で含まれています。
アスベストの危険性や修理について詳しく解説するので、リフォーム会社と相談しながら正しく対処していきましょう。

そもそもアスベストとは

石綿

アスベストとは、とても細かな鉱物のことです。「石綿」と呼ばれることもあります。
耐久性に優れているうえに軽量なので、多くの住宅や建物に使用されてきました。
しかし、アスベストには発がん性物質があることが判明。
危険度も3段階で分類されていて、屋根材の場合はレベル3に相当します。

・危険度レベル1:吹き付け材など/飛散の可能性が非常に高い/周辺を隔離したうえで厳重に処理
・危険度レベル2:断熱材など/飛散の可能性が高い/周辺を隔離したうえで厳重に処理
・危険度レベル3:屋根材など/切断や粉砕の際は飛散する可能性が高い/隔離は必要ないが湿らせたうえで処理

アスベスト屋根は、ただ屋根の上に乗せているだけなら飛散する危険はほとんどありません。しかし、表面に傷がついたり削れたりすると、そこからアスベストが飛散する恐れがあるのでご注意ください。

アスベストは具体的にどのように危険なのか

アスベストの危険性は有名ですが、具体的になにがどのように危険なのでしょうか。
それは「ホコリ」です。
アスベストを使うときに発生するホコリを長期間吸い込むと、健康に悪影響が及ぶことが判明したのです。
アスベストの線維はとても細い針状。もともと軽量なので、目には見えませんが大気中に浮遊したり飛散したりします。この線維が肺に残ると、アスベスト肺(肺の慢性線維症)、石綿肺、肺がん、中皮腫などの症状を引き起こします。
日本では現在使用を禁止していますが、あくまで“新規の使用”を禁じただけで、すでに施工済みのアスベストはそのままにされていることがほとんど。
屋根材はもちろんですが、アスベスト入りの建材と知らずに補修・解体してしまうと、思わぬトラブルにつながりかねないのでご注意ください。

アスベスト屋根かどうかを見分ける方法

アスベストは、2004年や2006年に法律で利用を制限されました。
これは2003年まで建てた住宅だと、お使いの屋根材がアスベストかもしれないということ……。(反対に考えると、2005年以降に建てた住宅なら安心でしょう)
アスベストを使用した屋根材は、主に「セメント瓦」「スレート」の2種類です。
お使いの屋根材がわからなければ、業者に確認してもらいましょう。

アスベスト屋根の修理方法

アスベスト屋根はそのままの状態なら危険性は低いですが、劣化や破損している場合は注意が必要です。
たとえば「飛来物が屋根に当たって一部割れてしまった」という場合。これは破損によってアスベストがむき出しになっている状態なので、健康に害が及ぶ可能性があります。
ご自身で修理せずに、アスベスト屋根であることを伝えたうえで業者に任せてください。
アスベスト屋根の修理方法は、大きく分けて3種類です。

塗装

屋根塗装

屋根の防水性を保つためには、表面の塗装が欠かせません。一般的にスレート屋根の場合は、10年に1度は塗装が必要とされています。
アスベスト屋根の場合も同じで、「割れもヒビもないけれど、そろそろメンテナンスの時期かな」という場合は塗装で対応できるでしょう。
しかし、アスベスト屋根であることを踏まえ、さらに屋根全体の状態を確認したうえで、業者が判断します。「塗装で済ませたかったけれど葺き替えになった」という事例は珍しくないので、あくまで参考程度に考えておきましょう。

▷屋根修理と外壁塗装を一緒に依頼するのがお得な理由

カバー工法

屋根材は破損・劣化しているけれど、下地は問題ない」という場合はカバー方法で修理できます。
既存の屋根材はそのままに、上に新しい屋根材を乗せるため、リフォーム時にアスベストが飛散するリスクはほとんどないでしょう。
工期も費用も抑えられるので、かしこいリフォーム方法といえます。

▷屋根のカバー工法とは?詳しく解説!

葺き替え

「屋根材も破損・劣化しているうえ、下地にも問題がある」という場合は葺き替えで修理しましょう。
アスベスト屋根はもちろん、下地ごと一新するので、この機会に断熱対策を施したり軽量な屋根材を選んだりして、住宅を強化する方も多く見受けられます。
ただ、解体や処分のための費用がかさむうえ、工期も長めです。他の修理方法に比べて、騒音やホコリがどうしても出てしまうので、近隣への配慮も欠かせません。

▷屋根の葺き替え工事とは?詳しく解説!

アスベスト屋根の修理に補助金が支給されることがある

アスベスト屋根の修理や撤去には、特別な技術が必要です。一般的な屋根材の修理と比べても割高になるでしょう。
自治体によっては、アスベストに関してこのような補助金制度を設けていることがあります。

・アスベストが含まれているかどうかの調査費用
・アスベストを含む建材の修理費用
・アスベストを含む建材の撤去費用

たとえば東京都における一例を紹介します。(最新の情報はホームページなどでご確認ください)

■江東区「江東区アスベスト分析調査助成」

対象者:
区内に建築物を有する中小企業、学校法人、社会福祉法人、医療法人等(国、地方公共団体その他これに準じる団体を除く)、区内に建築物を有する個人、区内にある分譲共同住宅の管理組合

対象経費:
アスベストを含有している可能性のある吹付け材又は保温材等が使用されている区内の建築物について、専門調査機関によるアスベスト分析調査に要する費用(建築物1棟につき1回限り)

補助金額:
調査費用の2分の1以内(限度額5万円)

■練馬区「練馬区吹き付けアスベスト等除去工事助成」

補助要件:
① 露出した吹付けアスベスト等の除去工事
② 既に囲い込み・封じ込められた除去工事であって、建築物等の増改修(修繕、模様替えおよび増築)に伴い実施するもの

補助金額:
・戸建住宅 助成率 工事費用の3分の2(限度額200万円)
・分譲共同住宅、賃貸共同住宅、事業所等助成率 工事費用の2分の1(限度額 400万円)

アスベスト屋根の修理業者はどう選ぶのが良い?

アスベストは人体に有害なので、取り扱いには十分に注意しなければなりません。
アスベスト屋根の場合、単に屋根に乗っているだけなら問題ありませんが、割れやヒビがあったり解体をともなう工事だったり……となると、やはり危険がともなうでしょう。
アスベスト屋根の修理業者を見極めるポイントは、以下の2つです。

専門の資格を持っているか

アスベストの取り扱いは危険なので、アスベストを扱う企業には専門の資格制度が設けられています。
たとえば「石綿作業主任者」。これはアスベストについての知識や危険性など専門の講習を受けて、さらに解体工事の技能講習を修了した者に与えられる資格です。
また最近では、事前調査においても「建築物石綿含有建材調査者」「アスベスト診断士」などの資格取得が義務化されました。
専門の知識・技能を持っている業者であれば、安心して修理を任せられそうです。

念入りに事前調査をしてくれるか

現地調査は、適切な修理内容や方法を見極めるための大事な工程です。
しかし業者によっては「外観を一周見渡しただけで終わってしまった」ということもあるようです。これでは正しく判断できているか疑問ですし、見積もりも正確性に欠けるでしょう。
時間をかけてしっかり状況を確認してくれるような業者なら、こちらもいろいろ相談しやすくなりますね。

まとめ

アスベスト屋根の危険性は低いですが、割れたり欠けたりしている部分があると、そこから線維が飛散してしまうのでご注意ください。
アスベスト屋根修理には専門の資格が必要なので、事前調査のときの対応を含めて、しっかり業者の質を見極めましょう。
ウェルスチールには、アスベスト屋根修理に精通した職人が多数在籍しています。
適切に修理して、家族皆が安心して暮らせる家をつくりましょう。

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