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屋根の豆知識

折半屋根とは?耐久性からメンテナンス方法まで解説

2023年9月27日

「折半屋根」は金属製の素材を使っている屋根であり、「折半屋根」と表現されることもあります。
アスベスト問題があってから工場などの屋根でスレート屋根が使われることが減り、代わりに折半屋根が用いられることが増えてきています。
そこでここでは折半屋根とはどういったものか、耐久性やメンテナンス方法などについて紹介していきたいと思います。

折半屋根とはどういったものか、その特徴は

折半屋根 金属

「折半」とはガルバリウム鋼板、亜鉛メッキ鋼板、塩ビ鋼板といった金属製の素材の屋根材を折り曲げて加工した屋根材を指しています。
金属板を波型に加工して成形した上で屋根に葺く工法で、大型の工場や倉庫の屋根、駐車場、駐輪場、物置などの屋根として多く使われています。

昔はこういった建物の屋根にはトタン板が使われることが多かったのですが、メンテナンスコストが高い、防音性が低い、耐久性が低いといったことから近年ではガルバリウム鋼板が使われることが多くなっています。
少し前までは工場などでは「波型スレート」の屋根が多く使われていたのですが、2004年以前に設置されたスレート屋根にはアスベスト(石綿)が含まれていることに加えて、スレート素材の屋根は水分が吸収されにくく雨漏りが起きやすいといった理由から近年では金属製の折半屋根を利用することが増えてきています。

折半屋根は屋根の横方向に向かって屋根と屋根のつなぎ目があるのですが、縦方向、傾き方向に向かってはつなぎ目はありません。
傾き方向につなぎ目がないために折半屋根は屋根材1枚あたりの長さが長いことが多くなっています。

折半屋根の種類にはどういったものがあるのか

ポイント

一般的に使用される折半屋根には4つの種類があります。
折半屋根の種類によってつなぎ目の方法が変わり、それぞれの種類ごとに改修方法も違ってきます。
ここではそれらの4つの折半屋根の種類について紹介していきます。

重ね式折半屋根

折半屋根の中でも比較的多く採用されているのがこの「重ね式」の折半屋根です。
「重ね」とはタイトルフレーム部分に取り付けられているボルトにネジを固定して設置することを指しており、ここでは取付金具と鋼板、もしくは鋼板同士をボルトで固定して設置するというものです。
ネジでしっかりと固定されるために強風でも屋根が飛びにくい、破損しにくいようにすることができるのですが、屋根の外側に向かってボルトが外部に露出した形になるため、ボルト部分、ネジ部分が経年劣化によって錆びていくことがあります。
どちらかと言えば、車庫や物置などの比較的小さい建物の屋根で多く使われている工法であり、耐風性に優れた工法なのですが、ボルト部分については定期的にメンテナンスをして錆びに対応していくと良いでしょう。

はぜ締め式折半屋根

「はぜ」とは金属同士を折り曲げて接合された部分のことを指します。
つまりこちらは屋根に穴を開けて取付金具を鋼板に直接固定するのではなく、鋼板の継ぎ目を折り曲げて接合するという工法です。
重ねタイプの折半屋根のようにボルトが外部に露出しないだけでなく、鋼板に穴を開けるわけではないために、雨漏りのリスクは低くなります。
工場や倉庫といった大規模な建物の屋根として使用されることが多くなっています。

はぜ式折半屋根

こちらの折半屋根も取付金具を鋼板に穴を開けて直接固定するのではなく、吊り金具を使用して屋根を固定するという工法です。
鋼板に穴を開けたり、無理な加工をしたりしないために外観がすっきりとして見えるというだけでなく、施工性、防水性、防風性が優れている工法となっています。
こちらも工場などの建物の屋根として多く使われています。

嵌合(かんごう)式折半屋根

「嵌合」とは吊子で屋根材を固定して嵌め合わせることで設置するという方法です。
屋根材にキャップを取り付けて左右から鋼板をつなげることで組み合わせるようになっているためボルトなどが外部に露出することがなく、鋼板のつなぎ目についてもキャップでおおわれるようになっていることからすっきりした外観となります

折半屋根にはどういったメリットがあるか

メリット

近年多く使われている折半屋根にはその特徴からメリットも多くなっています。
そこでここではそれらのメリットについて順に紹介していきます。

折半屋根は施工性が高く、工事期間が短くなる

折半屋根は施工性が非常に高いというメリットがあります。
折半屋根で使用されることが多いガルバリウム鋼板などは軽量で加工がしやすいために施工しやすい作業性が高いという強みがあります。
工期についても、一般的な屋根材を使った屋根の工事では使用する屋根材の下に下地として野地板を葺いてそこに屋根材を固定する必要がありますが、折半屋根では屋根材を葺く際に野地板が不要となります。
固定する際に折半屋根はタイトフレームと呼ばれる金具を使って設置することができるために施工がしやすく、工期を短くすることができるのです。

施工するべき屋根が広いほど、大きいほどこうした工期の短縮化は効果が出てくるため、大きな工場やスタジアムのような大型施設で特にそのメリットが大きくなります。
さらに加工がしやすい、自由度が高いといったことから東京ビッグサイトや西武ドームのように湾曲加工をして設置するということも可能になっています。

軽量で扱いやすく、耐久性が高い

近年多く使われているガルバリウム鋼板などの金属製の屋根材は軽量で耐久性が高いといった特徴があります。
最近では耐震工事のために屋根を軽くするということが多くなっており、屋根を軽量化することが耐震工事の中心になっているという現状があります。
そうした中、金属製の折半屋根では軽量になることから耐震性能を向上させる効果も期待できるため、地震に対する備えとしての効果があるとも言えます。
また耐久性で言えば、ガルバリウム鋼板などの金属屋根は耐用年数が20~30年ほどとなっているため、昔のトタン屋根などよりもはるかに長くなっており、メンテナンスコストの面からも非常に優れていると言えるでしょう。

形状のために水はけが良く、屋根に雨水が溜まらない

波の形をしている折半屋根はその形状から水が外部に向かって流れていきやすくなっています。
そのため、大雨が降っても水が流れていくために屋根の上に水が残るということがなく、高い水はけ能力を発揮しています。
水はけが良いことが雨漏りの減少にも役立っています。

折半屋根のデメリットとはどういったものか

デメリット

その特性から多くのメリットを持つ折半屋根ですが、実際に使用する際にはデメリットや注意点もあります。
使用する際にはそういったデメリットや注意点に気を付けて使用すると良いでしょう。

金属屋根は錆びやすいため、定期的に塗装メンテナンスが必要となる

多くの折半屋根はガルバリウム鋼板などの金属屋根が素材となっているために、錆びやすいという特徴があります。
ガルバリウム鋼板などは表面のメッキ加工のために錆びにくくはなっていますが、やはり金属屋根ですのでまったく錆びないというわけではありません。
そのため、雨が降って乾くということを繰り返していると錆びが出てくることとなります。
屋根材に錆びが発生すると、そこから穴が開いて雨漏りの原因にもなります。
さらに大型の工場などでは屋根が広くて大きいことから勾配が緩やかになりがちです。
勾配が緩やかだと落ち葉などが屋根の上にたまりやすくなり、それが錆びを進行させることとなります。
錆びを防ぐためには定期的に塗装メンテナンスをする必要があるため、注意しなければいけません。

熱伝導率が良く、断熱性が低い

折半屋根は下地部分となる野地板を葺いていないために屋根裏と呼ばれる部分がありません。
そのため屋根の部分には金属板1枚があるだけで、その下は直接部屋空間となりますので、室内は外気温の影響を受けやすい環境となります。
さらに金属屋根でできている折半屋根は熱伝導率が良いために夏場は室内が暑くなり、冬場は室内が寒くなるという特徴があります。

この断熱性の低さをカバーするための対策としては以下のようなものがあります。
・断熱効果を高めた製品を使う
・断熱材と屋根材が一体化された製品を使う
・金属屋根を二重にして間に断熱材を挟み込む
といった方法がありますが、どれも費用がかかるために大規模な屋根工事の際にはかなりの費用の差が発生することとなります。

雨音などの騒音が響きやすい

これは折半屋根に限らず、金属屋根の特徴とも言えるのですが、雨の音が響きやすいということがあります。
特に折半屋根は薄い金属の板を加工したなので、強い雨が降ると衝撃音が反響してしまうということがあるのです。
この対策としては遮音テープを貼ったり、防振材を貼るといった方法があります。
雨音が気になるという場合にはこれらを試してみましょう。
ただ、それらを使ったとしても雨音がまったく響かないというわけではありません。

折半屋根のメンテナンス方法

対処法

折半屋根は経年劣化によって錆びることがあるために、定期的にメンテナンスをする必要があります。
ここでは折半屋根のメンテナンス方法について紹介していきます。

・葺き替え
既存の屋根をすべて撤去して新しい屋根材を設置するという方法です。
もっとも効果が高くなる工法ですが、とにかく費用と工期が多くかかるという特徴があります。

▷屋根の葺き替え工事とは?詳しく解説!

・カバー工法
既存の屋根の上から新しい屋根を設置するという方法です。
屋根が二重に設置されることとなるため、断熱性や防水性が高くなるというメリットがあるのですが、屋根が二重になることで屋根が重くなるというデメリットがあります。

▷屋根のカバー工法とは? 詳しく解説!

・塗装メンテナンス
それほど錆びが広がっていない場合は塗装をすることで、その性能を復活させることができます。
高性能な塗料を使うことでより高い効果が期待できます。

▷屋根は塗装?葺き替え?カバー工法?それぞれのメリットとデメリットを比較

まとめ
折半屋根はその施工性、耐久性、防水性の高さから工場や倉庫などの屋根として多く使われている屋根です。
近年はガルバリウム鋼板などの金属屋根が使われることが多いため、金属屋根の特徴が出やすい屋根でもあります。

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