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樹脂製貫板「タフモック」とは?特徴やメリット、デメリットを解説

2023年7月3日

タフモック

屋根は様々な建材から構成されており、各部位が特定の機能を果たしています。

特に重要な部分の一つが「貫板」で、これは棟板金の下に設置される支持材です。

今回は、貫板の概要、特に樹脂製貫板に焦点を当て、「タフモック」という製品の特徴について詳しく解説します。

貫板の役割と重要性

屋根の構造には様々な部分があり、それぞれ特定の名称で呼ばれています。屋根の最も高い部分を「」と呼び、その頂点を覆う部材が「棟板金」です。

貫板」は、この棟板金を支える重要な「下地材」の一つです。棟は屋根の中でも特に厳しい気象条件にさらされるため、貫板は棟板金の安定性を確保する上で欠かせない役割を果たしています。

しかし、貫板自体も経年劣化の影響を受けやすく、湿気などによってひび割れや腐食が生じる可能性があります。貫板の損傷は棟板金の固定力を弱め、最悪の場合、雨漏りを引き起こす可能性があるため、定期的な点検と適切なメンテナンスが重要です。

▷屋根の「棟板金」とは

木製貫板の特性

日本の建築業界では、長年にわたり木材が重要な役割を果たしてきました。棟板金の支持材としても、木製の貫板が広く採用されてきました。特に杉材は、その軽量性と加工のしやすさ、さらに日本全土での入手のしやすさから、好んで使用されてきました。

木製貫板の主な利点は、比較的低コストであることと入手が容易な点です。人工樹脂製の代替品と比較すると、木製品はより経済的で、結果として工事費全体を抑える効果があります。

しかし、近年の世界的な木材価格の上昇や円安の進行により、木材の調達コストが増加傾向にあることは注意が必要です。

一方で、木製貫板の最大の欠点は耐水性の低さです。屋根は常に雨や湿気にさらされるため、水分を吸収しやすい木材は劣化が加速する傾向があります。これにより、貫板の腐食が進み、結果として棟板金の固定力が低下する可能性があります。

腐食の主な原因は、棟板金の継ぎ目や釘穴からの水の侵入です。さらに、棟板金を固定する鉄釘は、昼夜の温度変化による膨張と収縮を繰り返すことで、徐々に緩んでいきます。これにより新たな隙間が生まれ、さらなる水の侵入を招く悪循環に陥ります。

屋根の状態を日常的に確認することは難しいため、問題が発見された時には既に深刻な段階に達していることがあります。最悪の場合、強風により棟板金が飛散したり落下したりする危険性もあります。

樹脂製貫板タフモックの特長

タフモック

タフモックは、最新技術を駆使して開発された樹脂製貫板です。その特徴は、「優れた軽量性」「簡単な施工性」「高い耐久性」の3点にあります。

以下では、このタフモックの詳細な特性と実用性について解説します。

タフモックの性能

タフモックの主要素材は、ゴムを配合したハイインパクトポリスチレンです。この独自の配合により、軽量でありながら優れた耐久性を実現しています。

施工効率を高めるため、釘の打ち込み位置を示すマーキングが施されています。さらに、雨水の排出を促進する溝構造を採用し、防水性能も向上させています。

樹脂製であるタフモックは、従来の木製貫板と比較して水分吸収率が極めて低いのが特徴です。これにより腐食のリスクが大幅に低減され、釘の緩みや抜けを防止します。

従来の貫板で問題となっていた釘の緩みは、棟板金の固定力低下や落下、さらには雨水侵入のリスクを高めていました。タフモックの採用により、これらの潜在的な問題を効果的に予防することが可能となりました。

樹脂製貫板(タフモック)の長所と短所

建設業界、特に屋根工事において、樹脂製建材の使用が増加傾向にあります。その理由を理解するには、この素材の長所と短所を把握することが重要です。

樹脂製貫板の主なメリットは以下の通りです。

・耐水性に優れている
・高い柔軟性と耐折性

木材と異なり、樹脂製建材は水分を吸収しないため、腐食のリスクが大幅に低減されます。この特性により、屋根材の固定力が長期間維持され、雨漏りや部材の脱落を防ぐことができます。

また、樹脂製建材の柔軟性は、強風や地震などの外力に対する耐性を高めます。この特性により、建物全体の耐久性が向上します。

しかしながら、樹脂製貫板にも注意点があります。

・コストが比較的高い

木材の価格上昇傾向はあるものの、樹脂製建材は依然としてより高価です。

タフモックの設置手順

タフモックへの交換を行う際は、既存の棟板金を完全に取り外すことから始まります。その後、新しい固定箇所を慎重に確認し、問題がないことを確認してからタフモックの取り付けに進みます。

タフモックを貫板として使用する場合、従来の鉄釘ではなくステンレス製のビスを用いて固定します。これにより、棟板金の固定強度が向上します。

タフモックを取り付けた後、棟板金を設置し、ビスでしっかりと固定します。最後に、雨水の侵入を防ぐため、継ぎ目にコーキング材を丁寧に塗布します。これで設置作業は完了です。

まとめ

貫板には木製、樹脂製、金属製など多様な選択肢があります。従来は木製が主流でしたが、最近では軽量性と耐久性に優れた樹脂製の人気が高まっています。

タフモックは樹脂製の貫板の一例です。貫板の交換を検討する際は、こうした現代的な樹脂製品を選択することで、長期的な耐久性と性能の向上が期待できます。

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