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屋根の豆知識

屋根は塗装?葺き替え?カバー工法?それぞれのメリットとデメリットを比較

2023年8月7日

屋根の写真

屋根のメンテナンスをする際にはいくつかの方法があります。

代表的なものとしては「塗装」「葺き替え」「カバー工法」などがあります。

それぞれにメリットとデメリットがあるため、どれが適した方法なのかはその建物の状況によって変わるため、特徴を押さえた上で選ぶことが重要です。

塗装、葺き替え、カバー工法との単純比較

塗装とはその名前の通りに塗料を塗り直すという作業を行うものです。

それほど屋根材のダメージが深刻ではないときに利用できる方法です。

葺き替えは既存の古い屋根材を撤去して新しい屋根材を設置していく方法です。

すべてやり替えることとなるので、もっとも効果が高いとされています。

カバー工法は既存の屋根の上から新しい屋根材を設置するという方法です。

▷屋根のカバー工法とは? 詳しく解説!

▷屋根の葺き替え工事とは?詳しく解説!

耐用年数面での比較

塗装については「どういった塗料を使うか」、葺き替えやカバー工法については「どういった屋根材を使うか」によって耐用年数が違ってきます。

ただ、一般的な塗料を使う場合は塗装の耐用年数は5~20年前後となっています。

葺き替えやカバー工法で使用される屋根材にもさまざまな種類のものがありますが、近年増えてきているガルバリウム鋼板などの金属屋根の場合は20~40年ほど持つものもあります。

塗料では40年持つということはないので、長い耐用年数を期待するのであれば、葺き替えやカバー工法のほうが優れているということになります。

費用面での比較

まずどういった工事の場合でも屋根の工事を行う際には足場を組み立てる必要があります。

建物の大きさや広さにもよりますが、たいていは10~20万円前後の費用がかかることとなります。

これに加えて屋根の施工費用がかかることとなるのです。

費用面で考えると特に新しい屋根材を導入する必要がない塗装がもっとも安くなります。

施工費用と塗料代がかかることとなり、一般的な広さの屋根であれば50万円前後の費用となります。

葺き替えを行う際には既存の屋根材を撤去する必要があるため、ここに費用がかかります。

撤去費用は20~30万円ほどかかることとなり、ここに施工費用と屋根材の費用がかかってきますので、合わせると100~200万円程度の費用がかかってきます。

さらに屋根部分に「2000年以前に製造されたアスベスト(石綿)」が含まれている場合はここに有害物質が含まれているため、撤去する際にはこの有害物質が飛散しないように手間をかけた工事が必要となります。

余計に撤去費用がかかると思って良いでしょう。

カバー工法の場合は新しい屋根材と施工費用がかかりますが、既存の屋根の撤去作業が必要ないためその分は費用が安くなります。

一般的には80~150万円ほどの費用となっています。

断熱性、遮音性などの機能面での比較

塗装に関しては使用する塗料の種類によっては遮熱性、断熱性が高まるという効果が期待できます。

ただ、遮音性についてはほとんど効果は期待できません。

葺き替えを行う場合は、新しく設置する屋根材の機能がそのまま効果となります。

屋根材の裏に断熱材が一体化されたタイプの屋根材などを利用する際にはその分だけ断熱性は期待できるでしょう。

こちらは屋根材次第ということになります。

それに対してカバー工法は既存の屋根材の上から新しい屋根を重ねることとなります。

そのため言わば屋根が二重になるということですので、断熱性や遮音性は非常に高くなると言えます。

外からの騒音は入りにくくなりますし、中からの音は外に出にくくなります。

塗装ができない屋根もある

塗装

その屋根の状況によって利用できる工法とできない工法があります。

ここではまず塗装ができないパターンの屋根について紹介していきます。

塗装できないスレート屋根がある

スレート屋根の場合は塗装がなされることが多いのですが、中には「パミール」のように製品の特性上塗装ができないということもあります。

パミールのようなスレート屋根は劣化してくると層のように剥がれていくという特徴があります。

そのため、表面を新しく塗装してもその面ごと剥がれてしまうということがあるので、塗装をしても無駄になることが多いのです。

▷パミール屋根の問題は?社会問題になっている理由を解説

割れている部分が多い

スレート屋根は耐用年数に近づいてくるとひび割れが起こってきます。

割れている部分が少なければ塗装することである程度回復することが期待できます。

ただ、あくまでも塗装は「現状を維持、補修、保護」するために行うものですので、すでに割れ

ている屋根を修復することはできません。

すでに割れている部分が多い場合は塗装をしたとしても回復するわけではないので、別の工法を選んだほうがよいでしょう。

ちなみに2000年以降はアスベストの使用が禁止されたため、アスベストを含まないスレート屋根が販売されています。

こうした「ノンアスベスト」のスレート屋根は安全ではありますが、「割れやすい」という特徴があるものも多いので注意が必要です。

カバー工法で使用される屋根材とその特徴

カバー工法では多くの屋根材を使用することができます。

それぞれに特徴があるため、適したものを選ぶと良いでしょう。

ガルバリウム鋼板

近年急速に普及が進んでいる金属屋根です。

アルミニウム、亜鉛合金のメッキ金属であり、シンプルでスタイリッシュなデザインも好まれています。

・メリット

コストパフォーマンスが高い

とにかく軽量で耐震性能を向上することができる

錆びや腐食にも強い

・デメリット

薄い金属板なので雨音などが響く

塗装が薄くなると再塗装する必要がある

といったメリットとデメリットがあります。

代表的なガルバリウム屋根材:▷スーパーガルテクトの特徴は?メリットやデメリット、メンテナンス費用を解説

アスファルトシングル

こちらは高い柔軟性があるゴムのシートにアスファルトや石材の砂粒を圧着したものとなっています。

洋風なデザインで、カラーバリエーションを多くあります。

・メリット

コストパフォーマンスが高い

とにかく軽量で耐震性能が高い

色褪せしにくい

・デメリット

塗装ができない

断熱性がない

参考サイト:▷アスファルトシングル屋根の費用・メンテナンス方法と施工例!実際どうなの?

軽量瓦

粘土を主成分とした昔ながらの瓦屋根は「重い」という弱点があります。

軽量瓦はセメントを主成分としており、粘土の瓦よりも軽くなっているのが特徴です。

・メリット

重厚感がある

耐久性が高い

・デメリット

高額な費用がかかる

屋根の形状によっては利用できない

金属屋根と比べると重い

▷軽量屋根材ROOGAの特徴は?メリットやデメリット、メンテナンス費用を解説

カバー工法を行う際の注意点

注意点

カバー工法は塗装や葺き替えと比較するとメリットも多いのですが、「デメリット」「注意点」もあります。

ここではそんな注意点について順に紹介していきます。

劣化が激しい場合は施工ができない

すでに屋根の劣化が激しい、下地が傷んでいる、ルーフィング(防水シート)まで傷んでいるというような状態になっている際にはカバー工法はできません。

ここまで劣化が起こっている、雨漏りがしているという状態でカバー工法を行うことによって中に溜まっている湿気が外に出ることができずに閉じ込められてしまうのです。

屋根の劣化がどういった状態なのかについては点検、診断を行う必要があります。

専門家に診断を受けた上で、カバー工法が行わる状態かどうかを確認していきましょう。

あまりに劣化がひどい場合は葺き替え工事をする必要があります。

▷屋根のルーフィングの役割を知って賢い屋根修理を!

屋根が重くなってしまう

カバー工法は既存の屋根を撤去せずに上から新しい屋根を設置するという工法です。

そのため屋根が二重になるということもあって屋根の重量はさらに重くなることとなります。

近年屋根を軽量化することで耐震性能を向上させるという方法がよくとられていますが、その点

から考えると逆行した工法と言えるかもしれません。

屋根が重くなるということはそれだけ建物に負担をかけることとなりますし、地震の際には揺れが大きくなるということでもあります。

軽量な屋根材を使ってカバー工法を行うことで負担の増加を最小限に抑えることはできますが、それでも屋根が重くなることについては変わりはありません。

屋根が重くなることを嫌がるのであればカバー工法は向いていないのかもしれません。

雨樋を調整する必要がある場合がある

カバー工法をすることによって屋根の位置が高くなります。

これは既存の屋根の上から新しい屋根を設置することが関係しています。

そのため屋根から流れる水の位置も変わってしまうこととなるので、雨樋の位置調整が必要となる場合があるのです。

すべての建物で必ず必要となるというわけではありませんが、必要となる場合があるので注意が必要です。

屋根の内部の点検ができなくなる

カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材を被せる方法ですので、屋根の内部の点検をするのが非常に難しくなります。

屋根の内部の補修などについてはカバー工法を行う前に行っておきましょう。

カバー工法を行う際の流れとは

最後に実際にカバー工法を行う際の流れを簡単に紹介していきます。

まず既存のスレート屋根の頂上部分にある棟板金を外していきます。

そして既存の屋根材の上にルーフィング(防水シート)を貼っていきます。

ルーフィングの上に新しく設置する屋根材を一枚ずつ葺いていきます。

屋根材が設置し終わったら新しい屋根材の頂上部分に棟板金を設置します。

こうしたカバー工法の設置が行われていくのですが、実際にはカバー工法を行う前には足場の組み立てが必要となりますし、設置後には足場の解体も必要となります。

そのため、それらも含めて1週間程度の工期がかかることとなります。

まとめ

屋根の補修、補強工事には「塗装」「葺き替え」「カバー工法」があります。

それぞれに特徴があり、かかる工期や費用も違ってきます。

また、断熱性、遮音性、耐震性能などにもかなりの違いが出てきますので、どういったことを目的として補修工事を行うのかを明確にした上で、どの工事を行うのかを選んでいく必要があります。

弊社は屋根修理に加えて屋根塗装の施工まで自社で承らせて頂いています。

さいたま市にて屋根修理をご検討の際は、お気軽にウェルスチールにご相談下さい。

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