ウェルスチールが教える屋根の豆知識

Knowledge
屋根の豆知識

瓦のズレは何故起こるのか?劣化原因と耐久性について解説

2023年10月24日

日本ではまだまだ瓦屋根の建物が多くありますが、瓦を使っていると瓦がズレてしまう「瓦ずれ」が起きる場合があります。
瓦がズレてしまうとさまざまな問題が起きるのですが、ではなぜ「瓦ずれ」は起きるのでしょうか。
ここでは瓦が劣化していく原因、それぞれの瓦の種類と耐久性などについて紹介していきたいと思います。

瓦ずれはなぜ起きるのか

春日部市にて屋根修理(棟瓦の積み直し・漆喰工事)

瓦屋根はいろいろと種類がある屋根材の中でも耐用年数が長いものとなっています。
そのため、メンテナンスをする頻度なども少なくて済むというメリットがあるのですが、絶対に劣化しないというわけではありません。
さまざまなことが理由となって劣化することで瓦ずれが起きてきます。
ここではその原因となることをご紹介していきます。

瓦自体が劣化している

瓦屋根は種類にもよりますが、耐用年数が30年以上あるようなものが多く、長いものとなると50年以上という場合もあります。
そのため、頻繁に劣化してしまうということはないのですが、それでも長期間紫外線を浴びたり、雨風を受けることによって瓦は劣化していきます。
台風の際などに何か飛来物があって瓦に当たった際などはそこが破損するということもあります。
こうして瓦自体が劣化したり、破損したりすることで瓦がズレてしまうということがあるのです。

ルーフィング、下地材などが劣化している

瓦自体は耐用年数が長く、あまり劣化することはないのですが、他の部材が劣化することで瓦がズレるということもあります。
瓦屋根の場合は瓦の下部分にルーフィングと呼ばれる防水シートが設置されており、その下には野地板と呼ばれる下地が施工されています。
瓦部分を雨水が通過したとしてもここで水を防いでくれるので建物内に水が浸入しないということになっているのです。
しかし、これらのルーフィングや野地板の耐用年数は瓦よりも短く、瓦より先に劣化していきます。
こうしてルーフィングや野地板が先に劣化していくと、瓦を支える下地部分の固定力が弱まってくるために瓦がズレてしまうということがあるのです。
もちろん、ルーフィングや野地板が劣化していくとそこで水を防ぐことができなくなるために、建物内部に水が浸入していくこととなります。
これも瓦の固定力を弱める原因となります。

▷屋根のルーフィングの役割を知って賢い屋根修理を!

漆喰が劣化している

瓦屋根は屋根の上で漆喰によって固定されていきます。
漆喰は日本では古くから瓦の固定や外壁材として使用されてきました。
瓦を屋根の上で固定するために重要な役割を果たす漆喰ですが、こちらも耐用年数が20年前後と瓦よりも短くなっているために、瓦よりも先に劣化していくことがあります。
漆喰が劣化することで固定力が弱まり、瓦が支えられなくなってズレてしまうということがあるのです。

【漆喰劣化による瓦ズレの施工事例】

▷春日部市にて屋根修理(棟瓦の積み直し・漆喰工事)

▷さいたま市岩槻にて瓦屋根の棟積み直し工事

▷春日部市にて瓦屋根棟積み直し

瓦がズレたらどうすればよいのか

考える人

瓦がズレたままになっているとそこから水が浸入しやすくなってしまいます。
直接水が浸入してくることで、ルーフィングや野地板にかかる負担が大きなものとなってしまい、劣化が早くなるだけでなく、雨漏りなども起きやすくなります。
そこでここでは瓦がズレてしまった場合の対処法について紹介していきます。

瓦を元の位置に戻して固定する

強風などで単純に瓦がズレてしまっただけの場合は、元の位置に戻して設置し直せば修理できることとなります。
ただ、瓦をせっかく戻してもその下のルーフィングや野地板が劣化している場合は雨漏りが発生しやすくなったり、またすぐにズレてしまうことにもなります。
瓦がズレている時にそのまま戻すのではなく、ルーフィングや野地板の確認、メンテナンスをした上で瓦を戻すのが有効的です。

新しい瓦に交換する

台風の際に飛来物などで瓦が1枚だけ割れてしまったという時などは、その1枚を新しい瓦に交換すると良いでしょう。
業者によっては1枚だけの交換は受け付けない、ということもありますので部分的な交換などを行ってくれる業者を探す必要があります。
また、この場合も新しい瓦を設置する前にルーフィングや野地板の点検を行っておきましょう。

瓦を部分的に補修する

瓦がズレたりしてルーフィングや野地板も劣化してしまっているという場合には、瓦と下地を含めて部分補修を行うこととなります。
補修する部分の瓦屋根を剥がして、下地材も撤去して新しいものを設置していきます。
部分的に劣化している、破損しているという時に有効的な方法ですが、破損している範囲が広い、程度がひどいという場合には全体的な葺き替え工事を行う必要性もあります。

瓦の葺き替え工事を行う

瓦ずれが広い範囲で起こっている、破損している瓦が多い、ルーフィングや野地板の劣化が激しいという場合は全面的な葺き替え工事を行う必要性があります。
この場合は瓦屋根を一度すべて剥がし、ルーフィングや野地板も古いものをすべて撤去して新しいものを設置していくこととなります。
もっとも効果が高い方法ではありますが、時間や費用が一番かかる方法でもあります。

▷屋根の葺き替え工事とは?詳しく解説!

瓦屋根の種類と特徴、劣化の仕方や耐久性について

色々な瓦屋根

瓦屋根には種類が色々なものがあり、それぞれに特徴があって耐用年数も違っています。
そうした瓦ごとの耐用年数が違っていることを知っておくことが重要となります。

粘土瓦について

もっとも多く使われている瓦は「粘土瓦」です。
これはその名前の通りに天然の粘土を素材とした瓦で、昔からある種類の瓦となります。
粘土を瓦の形に作って、その瓦を焼いて完成させていきます。
粘土で形を作って焼いて仕上げることから「陶器瓦」と呼ばれることもあります。
この粘土瓦の特徴は「耐久性が非常に高い」ということです。
耐用年数の長さに関してはこの瓦がもっとも長いものとなっています。
他にも耐熱性、耐火性、防水性、防音性などさまざまな性能が高いというメリットがあるのですが、「とにかく重い」というデメリットがあります。
この重さのために耐震リフォームを行う際には瓦屋根から金属屋根などに葺き替え工事を行うことも多くなっています。

また、粘土瓦には大きく分けると「釉薬瓦」と「無釉瓦」という2つの種類があります。
それぞれに違った特徴があるので押さえておきましょう。

・釉薬瓦
釉薬瓦は粘土を瓦の形に作って、その表面に釉薬(ガラス質の粉末)をまぶして焼いた瓦のことを指します。
基本的には茶碗などの陶器類と同じ作り方になっているため「陶器瓦」と呼ばれることがあります。
釉薬瓦は表面に釉薬をまぶしていることによって耐久性や耐水性が向上するというメリットがあ
ります。
さらに釉薬を自由に選ぶことで色、艶などの仕上がりを変化させることができるため、幅広く使いやすいという特徴もあります。

・無釉瓦
こちらはその名前の通りに釉薬を使わないで焼き上げて仕上げた瓦です。
他の呼び方として「いぶし瓦」「素焼瓦」などと呼ばれることもあります。
その中でもいぶし瓦は落ち着いた雰囲気のある銀色になるのが特徴的です。
高級感があり、落ち着いた色合いになるので古風な家によく合います。

セメント瓦

こちらはセメント、砂、水を混ぜたものを瓦の型に流し込んで形成し、形を作ったものに塗装をして仕上げたものとなります。
見た目や形は粘土瓦に似てはいますが、まったくの別の瓦となっています。
セメント瓦は色や形をある程度自由に作ることができますので、建物の形状や色合いに合わせやすいというメリットがあります。
また、耐熱性や耐火性に優れていることも長所と言えます。
ただ、セメント瓦は塗装仕上げの瓦のために、定期的に塗装メンテナンスをする必要があります。
表面に塗装をしなければ瓦自体に防水性がないために、瓦がひび割れしたり水漏れしやすくなってしまいます。
塗装メンテナンスが必須になるということ、粘土瓦よりも耐用年数が短くなっているということを押さえておきましょう。

屋根瓦によってかかるメンテナンス費用の相場とは

コスト

屋根工事、補修、補強工事を行う際にはそれぞれの瓦の種類によって大きく費用が違ってきます。
ここでは代表的な屋根瓦の費用の相場を紹介していきます。

粘土瓦のメンテナンス費用について

粘土瓦の大規模なメンテナンス補修には「葺き替え」と「カバー工法」という2つの種類があります。
葺き替えとは屋根材のすべてを入れ替えする工事です。
既存の瓦をすべて撤去して、その上で新しい瓦を葺いていきます。
足場の組み立て費用や屋根材、人件費などに加えて取り除いた瓦の撤去費用、処分費用がかかってくるために費用は高くなります。
新しい屋根材の種類によってもかかってくる費用は違ってくるのですが、たいていは100~200万円前後の費用がかかってきます。

カバー工法は既存の屋根材の上から新しい屋根材を設置するという方法です。
既存の屋根材の撤去費用や処分費用がかからないために葺き替えよりは安く工事ができます。
ただ、既存の屋根の劣化具合があまりにもひどい場合には、カバー工法は利用できないということがあります。
その場合は葺き替え工事を行うこととなります。
カバー工法を行う場合は60~120万円程度の費用がかかります。
ただ、瓦屋根のカバー工法は屋根自体の重さが非常に重くなってしまうため、それに耐えうる建物でなければ行うことはできません。

セメント瓦などのメンテナンス費用について

セメント瓦などのメンテナンス補修を行う際には「葺き替え」「カバー工法」に加えて、「塗装」があります。
塗装については既存の瓦の塗装を定期的にし直すというもので、どれだけの費用がかかるかは使用する塗料の種類によっても変わってきます。
塗装を行う場合にも足場の組み立て費用や人件費などはかかってきますので、それに塗料の代金を合わせた費用がかかることとなります。
塗装費用はだいたい50~80万円程度の費用となっています。

まとめ

瓦屋根は耐用年数が非常に長く、メンテナンスの回数を抑えることができる屋根材ですが、それでも劣化はしていきますし、周囲の部材が劣化することで瓦がズレてしまうということもあります。
瓦がズレてしまう原因に合わせて対処していくと良いでしょう。

現地調査・お見積もりは無料!!

『ウェルスチール』は春日部市を中心に1都5県(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、茨城県、栃木県)に出張いたします!
お問い合わせやご相談、現地調査やお見積もりは無料!
瓦・屋根修理・外壁塗装以外にもお手伝いできる工事もあるかと思います! お気軽にご相談ください!

ウェルスチールの工事対応可能エリア

Area
対応可能エリア

春日部市を中心に1都5県(東京・神奈川・埼玉・千葉・栃木・茨城)に出張可能!

LINEでかんたん
問い合わせ&見積依頼