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工場や倉庫の屋根修理にはカバー工法がオススメ!施工方法やメリットを解説

2024年6月25日

屋根の大規模補修と言えば「葺き替え」のように全面的に屋根材を入れ替えるものか、「カバー工法」のように既存の屋根に新しく屋根を作り上げるものかとなってきます。
それぞれの建物によって合っている、優れている方法は違うのですが、工場や倉庫の屋根修理ではカバー工法がおすすめとなっています。
そこでここでは工場や倉庫の屋根修理におすすめのカバー工法の施工方法やメリットなどについて紹介していきたいと思います。

カバー工法とはどういったものなのか

屋根のカバー工法ですが、劣化したり破損したりしている既存の屋根材を撤去、処分することなく、その既存の屋根の上から新しい屋根材で屋根を作っていくという屋根修理工事を意味しています。
既存の屋根材を撤去せずに新しい屋根を上から作っていくために「大規模な取り壊し」「大量の撤去作業」「廃材の処分作業」を行う必要がない工法として近年増えてきています。

特に工場や倉庫では一般住宅のように葺き替え工事はあまり行われることなく、カバー工法が多く利用されています。
葺き替え工事を行う際には既存の屋根材を一度すべて撤去することとなります。
しかし工場や倉庫の場合は屋根材をすべて撤去してしまうと鉄骨の骨組みだけが残ることとなってしまいます。
鉄骨だけが残っている状態だと屋根足場を組むことができませんし、屋根材の運搬も困難なものとなります。
そのため工場や倉庫では既存の屋根材の上に新しく屋根を作るカバー工法が選ばれることが多いのです。

屋根カバー工法を行っていく際の手順とは

葺き替え工事の場合は既存の屋根材をすべて撤去して、新しく屋根を作るためにイメージしやすいかもしれませんが、カバー工法は手順がわかりにくいかもしれません。
そこでここでは実際に屋根カバー工法がどのような手順で行われるのかについて紹介していきます。

既存の屋根の棟板金や貫板を撤去する

屋根カバー工法を行う際にはまず既存の屋根の棟板金や貫板を撤去していきます。
棟板金は屋根の頂上である棟に設置されている板金ですので、紫外線や雨風の影響を受けやすく劣化していることも多くあります。
この棟板金や貫板を撤去していき、その上から新しい屋根を設置していくこととなるのですが、使用していた棟板金や貫板は劣化していることが多いため、一般的には後で新しい棟板金や貫板を使うこととなります。

▷屋根の「棟板金」とは?飛散やくぎ浮きなどのメンテナス方法について

既存の屋根材の上から下地を作っていく

既存の屋根材の上から新しいルーフィングを設置して下地を作っていきます。
軒先からルーフィングを設置することによって雨水が屋内に侵入するのを防ぐことができます。
このルーフィングや野地板などの下地部分は新しい屋根の防水処理の決め手となりますので、しっかりと下地を設置していくことが重要です。

▷屋根のルーフィング(防水シート)とは?その重要性を解説

下地の上に新しい屋根材を設置していく

既存の屋根材の上にルーフィング、野地板を敷いて下地ができたら、その上から新しい屋根材を設置していきます。
新しい屋根材も軒先側から釘やビスを使ってしっかりと固定していきます。
屋根カバー工法では二重に屋根を作ることになるため、重い屋根材は使用することができません。
特に工場や倉庫などでは元々が金属屋根が使われることが多くなっています。
最近はガルバリウム鋼板、エスジーエル鋼板のような軽量の金属屋根が使われることが多くなっています。

新しい屋根に棟板金、貫板を設置していく

屋根材が設置できたら、新しい棟板金と貫板を設置していきます。
昔は棟板金の内部に設置される貫板は木製のものが多く、そのために腐食したりしてしまうことがありました。
木製の貫板を使用するとどうしても腐食したりすることがあるため、最近では腐食しにくい樹脂製の貫板を使うことが多くなっており、それにガルバリウム鋼板製の棟板金を設置するということが多くなっています。
樹脂製の貫板にガルバリウム鋼板の棟板金であれば錆びたり腐食したりすることも抑えることができます。

板金の周囲などにコーキング処理を行っていく

板金を設置してもその取り付けた周囲などには隙間ができてしまいます。
そうした隙間などから水が内部に浸入しないようにコーキング処理を行っていきます。
ただ、この隙間をコーキングする際に雨水や湿気を外部に排出するための隙間まで埋めてしまうと内部に水や湿気が溜まって雨漏りの原因となりますので注意が必要です。

工場や倉庫でカバー工法を行うメリットとは

カバー工法には葺き替えや塗装とは違ったメリットがあります。
特に工場や倉庫で行う際にはそれらのメリットがはっきりしてきます。
そこでここでは工場や倉庫でカバー工法を行う際のメリットについて紹介していきます。

既存の屋根材を撤去する必要がなく、費用を抑えられる

葺き替え工事を行う際には既存の屋根材をすべて撤去する必要があります。
屋根材をすべて撤去しなければいけないため、もちろん手間や時間がかかるというだけでなく、撤去時には騒音が出てしまうこともありますし、ゴミ、ホコリもでやすく近隣住民とのトラブルの原因にもなります。
また、撤去した屋根材は廃材として処分しなければならないため、それらの運搬費用や処理費用が別に費用としてかかってきます。

それに対してカバー工法の場合は屋根材を撤去する必要がないため、そのままの状態で屋根の工事をスタートさせることができます。
撤去するのは貫板と棟板金などに限られるため撤去にも手間がかからず、工期を短くして費用も抑えることが可能となります。
特に工場や倉庫の場合は葺き替え工事を行う際には長期間に渡って操業ができない可能性がありますが、カバー工法であればそれも防ぐことができます。

工期を大幅に短縮できる

屋根を大規模に工事している間は業者がその建物に頻繁に出入りすることとなりますし、機材や建材の運搬なども続くために周囲の人にとってはストレスとなります。
工場や倉庫で営業を続けている場合、工事をしているというのは仕事がしにくくなることにつながります。
できれば工事期間は短い方が良いでしょう。
カバー工法を採用することで工期が短縮できれば、そういったストレスやトラブルを軽減することが期待できるのです。

防音性や断熱性が高くなる

カバー工法を行う場合は既存の屋根の上に新しい屋根を作ることとなるため、「二重の屋根」が出来上がることとなります。
屋根が二重にあることで、雨が降っても屋内まで雨音が響きにくいというメリットがありますし、夏の強い日差しも二重の屋根で防ぐことができます。
また、冬などは室内の暖かい空気が二重の屋根でキープされるため、保温性に優れた屋根となります。
特に工場や倉庫の場合はもともとが金属屋根ということもあって激しい雨が降ったりすると雨音が響くということがあるのですが、カバー工法を行って防音性を高めることによってそれも軽減することができるでしょう。
二重に屋根があるということがさまざまなメリットとなる場合があるのです。

カバー工法を行う際の注意点やデメリット

カバー工法は塗装する場合や葺き替え工事と比較するとメリットも多いのですが、「デメリット」「注意点」もあるのは事実です。
ここではカバー工法を行う際の注意点やデメリットについて紹介していきます。

屋根材や下地の劣化が激しい場合はカバー工法は実施ができない

屋根の補修工事をする時点で既存の屋根材の劣化が激しい、下地まで傷んでいる、ルーフィング(防水シート)が破れている、室内で雨漏りが発生しているというような状態になっている際にはカバー工法を選ぶことはできません。
この状態まで劣化が起こっている、雨漏りがしているということになるとカバー工法を行うことによって屋根の内部に溜まっている湿気、水分が外部に排出されることができずに内部に閉じ込められてしまうのです。
また、上に新しい屋根を作ってしまうと下部分の既存の屋根については補修することはできなくなります。
その時点で既存の屋根の破損状態がどれほどか、どれくらいの劣化具合なのかについては点検、診断を行うことで判明します。
業者に屋根診断を受けた上で、カバー工法を行うことができる状態かどうかを確認していきましょう。
あまりに屋根材などの劣化がひどい場合は葺き替え工事をする必要があります。

カバー工法を行うことで屋根が重くなってしまう

カバー工法は既存の屋根を撤去することなく、その上から新しい屋根を設置するという工法です。
そのため屋根が二重になることとなりますので、屋根全体の重量はさらに重くなることとなります。
最近では耐震工事を行うことが増えています。
こうした工事では屋根を金属屋根などにして軽量化することで耐震性能を向上させるという方法がよくとられていますが、その点から考えると屋根が重くなるのは耐震性という観点からは良くないと言えるかもしれません。
屋根全体が重くなるということはそれだけ建物、柱などに負担をかけることとなりますし、地震の際には揺れが大きくなるということでもあります。
工場や倉庫ではもともと金属屋根となっており、それほど重量はないもののカバー工法を行うことでどうしても二重の屋根になることとなります。
ある程度屋根が重くなってしまうということには間違いありません。

まとめ

屋根材が破損、劣化している場合には「葺き替え工事」「カバー工法」などを行うこととなるのですが、工場や倉庫ではカバー工法を行うことが多くなっています。
既存の屋根を撤去する必要もなく、営業を行いながら屋根の補修工事を行うことも可能となるのは大きなメリットと言えるでしょう。

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