2022年12月16日
ある日突然2階の天井から雨水らしきものが落ちてきたら、慌てて動転してしまう方が多いのではないでしょうか?
そして最初に疑われるのが屋根からの雨漏りです。
屋根は常に外気にさらされ続けているため、建物の中で最も紫外線や雨風、気温によるダメージを受けやすい場所といえます。
そこで本記事では、屋根から雨漏りが発生する原因や雨漏りの修理方法、屋根からの雨漏りを未然に防ぐ方法を紹介します。
屋根からの雨漏りが発生する原因は、建物の構造や仕様、築年数、周辺環境、立地条件などさまざまですが、大きく分けると屋根材の経年劣化、強風や地震などの自然災害による屋根材の破損、業者の施工不良のいずれかになります。
ひとつずつ見ていきましょう。
屋根は常に厳しい環境下にさらされ続けているので、紫外線や雨風によるダメージを受けて次第に劣化していきます。
定期的に塗装工事などのメンテナンスを行うことが大切ですが、ダメージを受けた部分をそのまま放置しておくと、やがては傷んだ部分から雨水が侵入しやすくなってしまいます。
そして屋根には瓦やコロニアルなどの屋根材だけでなく、棟板金やケラバ板金、雨押え板金、軒先板金といった板金部分や、瓦屋根の漆喰、シーリングなど、多くの雨仕舞(あまじまい)と呼ばれる雨水を受け流す部位があります。
これらの部分が劣化して、錆びて穴が開いてしまったり、崩れてしまったりすることで雨漏りすることがあります。
屋根は台風などの強風によって棟板金やコロニアルなどの屋根材が飛ばされてしまったり、地震で瓦が割れてしまったりすることがあります。
特に経年劣化により板金部分の釘やビスが緩んでいたり、下地が腐食していたりすると風や地震の影響を受けやすくなってしまいます。
また後から太陽光パネルやテレビアンテナなどを屋根に設置する際に、職人が屋根材を踏み抜いて穴を開けてしまうこともあるので、これが原因で雨漏りが発生するケースも少なくありません。
屋根を施工する際の業者の施工不良や手抜き工事が原因で雨漏りが発生することも皆無ではありません。
釘の脳天打ち(上から釘打ちすること)や不要なシーリング、屋根材の重ね代不足、アスファルトルーフィングの施工不良などは良く見られるケースです。
新築したり屋根のリフォームを行なったりしてから間もないうちに雨漏りが発生した場合は、施工不良を疑ってみる必要があります。
雨漏りの原因がわからなければ適切な修理を行うことができません。
そのため室内に雨漏りが発生したら、まずは雨水の侵入経路を明らかにしなければなりません。
そこで専門業者に依頼して、雨水の侵入口を見つけるための雨漏り調査を行います。
雨漏り調査には目視によるもののほかに、散水調査(水かけ調査)、発光液調査、赤外線サーモグラフィ調査などがあります。
そして場合によっては天井裏にもぐって調査したり、天井材を一部剥がしたりすることもあります。
雨漏り調査は決して簡単なものではありませんが、幸いにして屋根からの雨漏りの場合は、外壁やサッシ廻りなどの他の部分からの雨漏りよりも比較的原因究明がしやすいといえます。
調査の結果、雨水の侵入経路がわかったら、いよいよ雨水の侵入口を塞ぐ工事を行います。
簡単な工事であればDIYで修理することも可能ですが、知識や技術がない状態で屋根の雨漏り修理を行うと二次災害の原因になる恐れがあるので、あまりおすすめできません。
修理のしかたを間違えてしまうと、かえって雨漏りが酷くなってしまうことがあります。
よくある雨漏り修理の例には次のようなものがあります。
スレート屋根(コロニアル)や金属屋根で棟板金の不具合によって雨漏りが発生している場合には、棟板金の交換が必要になります。
また瓦やスレート屋根材が部分的に破損している場合には、破損した屋根材の差し替えを行います。
そして瓦屋根の場合には漆喰が崩れてしまっていることが多いので、その場合には漆喰の詰め直しが必要になります。
その他では、屋根材全体が著しく劣化していたり、屋根材の下のルーフィングが劣化していたりする場合には、屋根材の葺き替えや重ね葺き(古い屋根材の上から新しい屋根材を葺くこと)などの大掛かりなリフォームが必要になることもあります。
屋根材の葺き替え工事には150~300万円、重ね葺きには100~200万円ほどの費用がかかってしまうので、このような状態になる前にメンテナンスをしっかりと行っておくことが大切です。
そして稀に屋根塗装を行なえば雨漏りを防ぐことができると思っている方がおられますが、(中にはそのような営業トークを行う塗装業者も存在しています)塗装するだけでは雨漏りの根本的な解決にはならないので注意が必要です。
いずれにしても屋根から雨漏りが発生した場合には、原因がよくわからないままの状態で修理を行っても何度も修理を繰り返すことになってしまいがちです。
まずはしっかりと雨漏りの原因を調査して、雨水の侵入口を究明することが重要になります。
屋根からの雨漏り修理は決して安くはありません。
修理に必要な雨漏り調査費用などを合わせると、規模によっては100万円を超えてしまうことも決して珍しくありません。
そして一度雨漏りが発生すると、室内の天井や壁、床の修繕も必要になってしまいます。
そのため日頃から定期的な点検を怠らないようにして、屋根材のずれやひび割れ・欠け、板金部分のサビ、釘やビスの緩み、漆喰の崩れ、シーリングの劣化などの小さな不具合でも、見つけたら決して放置せずにこまめにメンテナンスを行うことが大切です。
特に台風や大きな地震が発生した後は屋根もダメージを受けていることが多いので、必ず点検しておくようにしましょう。
そして自分で屋根の点検をするのは難しいという場合には、業者に頼んで点検してもらう方法もあります。
屋根から雨漏りする原因は、経年劣化、破損、施工不良のいずれかであることがほとんどです。
特に新築時の施工がずさんであった場合には、最初は気付かなかったとしても、通常の屋根と比較して経年劣化が早く進行してしまうことがあります。
そのため屋根は定期的に点検を行って、異常があれば早めに手直ししておくことが大切です。
そして万一雨漏りしてしまった場合には、きちんと原因を究明してから修繕工事に着手するようにしましょう。
雨漏り修理の成否は、施工業者の技術力で決まるといっても決して過言ではありません。
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