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屋根の豆知識

屋根のカバー工法とは? 詳しく解説!

2022年12月24日

屋根は建物の中でも最も厳しい環境下にさらされ続けているので、定期的なメンテナンスを欠かすことができません。

屋根のメンテナンス工事には部分的な補修工事や塗装工事がありますが、築年数が経過した古い屋根や雨漏りが発生したことがある屋根の場合には、本格的なリフォームが必要になるケースが多いといえます。

屋根の本格的なリフォームには、葺き替えのほかにカバー工法(重ね葺き)があります。

本記事では、屋根のカバー工法とはどのような工事なのかを紹介しつつ、葺き替えとの違いやメリット・デメリットから工期・費用の目安までを詳しく紹介します。

カバー工法

◆屋根のカバー工法とはどんな工事? 葺き替え工事との違い

屋根の全面リフォームといえば、比較的安価な費用で美観を回復することができる屋根塗装が頭に浮かぶ方が多いと思います。

しかし築年数が30年近く経った建物の屋根や、過去に雨漏りしたことがある屋根の場合には塗装工事を行うだけでは不十分で、屋根の防水性の確保の面では根本的な解決にはなりません。

また過去に雨漏りが発生したことがない屋根であっても、屋根材の下にあるルーフィング(防水紙)は築25年もすると次第に傷みだすので、今後いつ雨漏りが発生しても決して不思議ではありません。

そのような場面で検討したいのが「カバー工法」というリフォームで、近年では定番の屋根の改修方法になっています。

 

屋根のカバー工法とは、既存の屋根材の上から新しい屋根材をかぶせる(カバーする)工法のことをいいます。

既存の屋根材の上にルーフィング(防水紙)を敷き、その上に軽量な屋根材を葺きます。

古い屋根材を撤去して新しい屋根材を葺く「葺き替え」と違って古い屋根材を撤去しないので、既存の屋根材の解体や廃棄の手間がかからず、葺き替えよりもコストダウンが可能な上に工期も短縮することができます。

また既存の屋根材にアスベスト(石綿とも呼ばれ、耐火性や断熱性が高いことから過去には多くの建材に使用されていたが、健康被害を引き起こすことから現在は使用禁止になっているもの)が含まれている場合には廃棄費用が非常に高額になってしまうので、既存の屋根材を廃棄しないカバー工法はその点においても有利になります。

 

◆屋根のカバー工法のメリットとデメリット

ここでは屋根のカバー工法のメリットとデメリットを詳しく紹介します。

まずはカバー工法のメリットから見ていきましょう。

【メリット】

・リフォーム費用が安い

前述したように既存の屋根材の撤去費用がかからないので、葺き替え工事と比較して工事費が安価になります。

平均的な大きさの住宅の場合で、最低でも10~15万円程度は費用を節約することが可能になります。

また既存の屋根材にアスベストが含まれている場合には、葺き替え工事とはさらに大きな価格差が生じます。

・工期が短い

既存の屋根材の撤去作業がないので、その分葺き替え工事よりも工期を短縮することができます。

・工事中の近隣とのトラブルが少なくなる

屋根の葺き替え工事では、既存の屋根材を撤去する際に騒音やホコリが発生します。

そのため工事中に近隣からクレームが出る可能性がありますが、カバー工法であれば既存の屋根材を撤去しないので、近隣とのトラブルも少なくなります。

・屋根の断熱性や防水性・遮音性が向上する

屋根のカバー工法を行うと屋根が二重構造になるので、断熱性や防水性が向上すると共に、雨音の軽減も期待できます。

特に新しい屋根材として断熱材付の金属屋根を採用すれば、断熱効果を更に高めることができ、雨音を抑えるためにも効果を発揮します。

ただし本格的な断熱工事や遮音工事と比較すると断熱性能や遮音性能は劣ってしまうので、過剰な期待は禁物です。

一方、屋根のカバー工法はメリットばかりではありません。

デメリットもあるので、知っておく必要があります。

【デメリット】

・瓦屋根には対応できない

現在、陶器瓦やセメント瓦などの表面の形状が平らでない屋根材が使用されている場合には、基本的に屋根のカバー工法を行うことができません。

その場合には葺き替えが必要になります。

・家の耐震性能が低下する

カバー工法を行うことで、新しい屋根材の分だけ屋根の重量が増えてしまいます。

そのため建物の構造躯体にかかる負荷が増して、かつ重心の位置が高くなってしまうので、地震の際には揺れが大きくなってしまいます。

したがってカバー工法に使用する屋根材は、できるだけ軽量なものを選ぶことが大切です。

・屋根の下地の状態をチェックすることができない

既存の屋根が雨漏りしている場合や築年数が古い建物の場合には、野地板や屋根垂木などの下地材が傷んでいる可能性があります。

カバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せるだけなので、その場合には屋根のカバー工法を行った後も下地材の腐食や劣化が進行してしまう可能性があります。

したがって屋根のカバー工法を行う際には、事前に下地材の劣化状況をきちんと調査しておく必要があります。

・使用する屋根材の選択肢が限られる

カバー工法に使用する屋根材は軽量であることが求められるので、自由に新しい屋根材を選ぶことができません。

・以後の修理やリフォーム代が高額になってしまうことがある

万一、カバー工法施工後に雨漏りなどが発生して屋根の修理が必要になった場合には、屋根が二重になっている分修理代やリフォーム費用が通常よりも高額になってしまいがちです。

 

■屋根のカバー工法の工期と費用の目安

屋根のカバー工法は、既存の屋根材が主にスレート(コロニアル、カラーベスト)の場合に行う工法になります。

そしてカバー工法の費用相場は延べ床面積が30~40坪程度の木造一戸建住宅の場合で、80~150万円ほどになることが多いようです。

費用に幅があるのは、使用する屋根材の種類による価格差が大きいためです。

カバー工法には、ガルバリウム鋼板の屋根材のほかに、アスファルトシングルや軽量瓦などが使用されています。

いずれにしても塗装工事と比較すると費用が高額になりますが、葺き替え工事よりも既存の屋根材を撤去しない分、費用を抑えることができます。

 

次にカバー工法の工期と工程を紹介します。

カバー工法の主な作業の流れは次のようになります。

・足場の設置

安全に作業を行うために、建物の周囲に作業床となる足場を組みます。

・既存の棟板金等の解体・撤去

カバー工法に不要な棟板金、雪止め金具などを撤去します。

・ルーフィング(防水紙)張り

既存の屋根の上にアスファルトルーフィングと呼ばれる防水紙を設置します。

・軒先とケラバ、谷どい等の板金施工

軒先とケラバ(切妻屋根の妻側の端部)等に板金部材を取り付けます。

・屋根材の設置

新しい屋根材を葺きます。

・棟板金の施工

屋根の頂上となる部分に棟板金を設置します。

・シーリング処理

板金の合わせ目などにシーリング材を充填して隙間をふさぎます。

・足場の解体

足場を解体して作業終了となります。

作業の大まかな流れは上記のようになりますが、カバー工法の平均作業日数は7~10日程度になることが一般的です。

そのため工期は2週間程度を見込んでおく必要があります。

また、屋根の面積が広い場合や、屋根が急勾配の場合、建物が密集して建っている場合、資材の搬入に難がある場合などは工事日数が延びることがあります。

 

■まとめ

屋根のリフォームでは塗装工事が良く行われていますが、塗装工事の主な目的は美観の向上と経年劣化を防ぐことで、防水効果を高めることではありません。

したがって築年数が30年近く経過した屋根の場合には、将来の雨漏りを予防するためにもカバー工法によるリフォームがおすすめです。

本記事では、屋根のカバー工法のメリット・デメリットや工期、費用の目安などを紹介しているので、是非参考にしていただけたら幸いです。

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