春日部市でも落雪には要注意!「雪止め」の重要性や設置方法について
2025年3月26日
冬に雪が多く降る地域といえば、北陸や日本海側を想像する方が多いのではないでしょうか。近年では、関東などの雪に備えがない地域にも降雪があることも多くなっており、住宅の屋根に雪が溜まるケースも多く見られます。
雪止めは、住宅屋根に溜まった雪を落下させないようにする設備です。この記事では、雪止めの重要性や設置をおすすめする地域、雪止めの設置方法やメリット・デメリットなどを詳しく解説します。雪止めの設置を検討中の方や、雪止めについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
雪止めの役割
雪止めは屋根に積もった雪をせき止め、軒下や地面にまとまった雪を落下させないようにするために設置される部材です。さまざまな形状の雪止めがあるため、屋根の材質や傾斜に合った雪止めを選択する必要があります。雪の降る地域では、住宅の新築時に雪止めの設置を提案される場合があり、また、屋根の種類にもよりますが必要に応じて後から設置する事も可能です。雪止めの設置は、お住まいの地域の積雪量や住宅周辺の環境によって判断するのが良いでしょう。
雪止めの設置をおすすめする地域
雪止めの設置をおすすめする地域は次の通りです。
✅豪雪地帯ではないが積雪のある地域
✅道路や公園などが隣接している
✅住宅が密集している地域
豪雪地帯ではないが積雪のある地域
雪止めは、積雪の多い地域ほど普及しているイメージを持たれる方も多いのではないでしょうか。じつは、豪雪地帯よりもそれほど雪が積もらず、屋根の雪下ろしが必要ない地域にも多く普及している設備です。豪雪地帯では、屋根に角度を付けて雪を自動的に下に落とす「自動落下式」の屋根や、屋根の雪下ろしを行うことが珍しくないため、落雪を想定して軒下スペースや隣家との距離が十分に確保されていることが多く、雪に関するトラブルが起こりにくくなっています。年に数回しか積雪がないような地域にこそ、雪止めが必要になるケースが多くあります。
道路や公園などが隣接している
道路や公園などが隣接していると、屋根からの落雪が歩行者や車などに当たりトラブルになるケースもあります。屋根に溜まった雪は、下の層が溶けてシャーベット状になり、さらに降り積もった雪によりどんどん重くなります。重い雪が落下すればその分衝撃も大きくなるため、当たれば車の屋根を凹ませてしまうほどの力があります。周辺の安全性の確保のために雪止めを設置するケースもあります。
住宅が密集している地域
住宅が密集している地域では、隣家との間に十分なスペースが確保されていない事が多いため、滑り落ちた落雪が隣家の軒先や樹木に当たってしまうことも珍しくないでしょう。雪止めを設置することで、雪が降るたびに落雪を心配せずに済むため、精神的なストレスを軽減できる効果も期待できます。
雪止めの種類と設置方法
雪止めの種類と設置方法は次の通りです。
✅雪止め瓦
✅金具型
✅アングル型
✅ネット・フェンス型
雪止め瓦
雪止め瓦は、瓦屋根に採用される雪止めで、瓦の一部にアーチ状の出っ張りを設けて雪が引っかかる形状にしたものです。これを一定間隔で屋根に配置することで、屋根に溜まった雪を滑り落ちないようにしています。通常の瓦と部分的に交換することで、後付けすることも可能です。
金具型
扇型やL字型、羽根型の金属を屋根に複数設置して、雪の滑りを防止する雪止めです。瓦やスレート、金属屋根に後付け可能で屋根材の隙間に差し込んで設置しますが、釘と接着剤で屋根材を固定する方法を取る屋根材であるアスファルトシングルは、後付けができないため、屋根を葺く際に同時に雪止めを設置する必要があります。
アングル型
L字の長い金属棒(アングル)を屋根の傾斜に対して横方法に設置する雪止めです。長い面積で落雪を防げるため、雪が滑りやすい金属屋根に用いられることが多く、工場や倉庫などの屋根に設置されているものを目にする機会も多いでしょう。金属屋根への設置は、屋根材の合わせ目である凸部に取り付け金具を設置し、取り付け金具を介してアングルを取り付けます。スレート屋根への設置は、屋根材の隙間に取り付け金具を差し込んで設置し、金具を介してアングルを取り付けます。
ネット・フェンス型
屋根の軒先に近い部分に金属製のネットやフェンスを取り付けて、せき止めるように雪の落下を防止するものです。屋根に太陽光パネルを設置してある場合には、特に屋根の雪が滑りやすくなるため、ネット・フェンス型の雪止めが大きな効果を発揮します。スレートや瓦屋根にも設置可能で、土台となる取り付け金具を介して設置します。また、金属製のコイル状のものなどさまざまな形があるため、積雪量や屋根設備の有無に合わせた選択が可能です。
雪止めを設置するメリットと重要性
雪止めを設置するメリットと重要性は次の通りです。
✅落雪による事故やトラブルを回避できる
✅住宅や付帯設備の破損を防げる
落雪による事故やトラブルを回避できる
雪止めを設置する最も重要なメリットは、落雪による事故やトラブルを回避できることです。前述した通り、屋根に溜まった雪は重く引き締まっていることも多く、落下すればかなりの衝撃になる場合もあります。スキー場や体育館などの大型施設で、冬に軒下周りが立ち入り禁止になっているのも、落雪による事故を防ぐためです。屋根の雪が隣家の敷地に落下したり、歩行者に当たったりすれば事故やトラブルの元になります。雪が屋根に積もるたびに落雪の心配をしていては、とても安心して過ごすことができません。雪止めは、事故やトラブルを防ぐだけでなく、安心して冬の生活を送るために必要な設備でもあるのです。
住宅や付帯設備の破損を防げる
雪止めのもう一つのメリットとして、住宅や付帯部分の破損を防げることが挙げられます。屋根から雪がそのまま落下すれば、雨樋や下屋の軒先、エアコンの室外機を破損させてしまう場合もあります。また、物置やカーポートの屋根を破損させたり、庭の樹木を傷める場合もあるため、冬が来るたびに余計な出費がかかってしまいます。雪止めの設置は、住宅や付帯設備を守る上でも重要な役割をはたします。
雪止めを設置するデメリット
雪止めを設置するデメリットは次の通りです。
✅雪下ろしの妨げになる場合がある
✅すが漏れのリスクがある
✅錆が発生する場合がある
雪下ろしの妨げになる場合がある
雪下ろしを行うほど積雪量の多い地域では、雪止めが雪下ろしの妨げになる場合もあります。そもそも、雪が多く降る地域に住宅を新築する場合には、その環境に適したような住宅の設備を提案されるため、雪下ろしの妨げになるようなタイプの雪止めを設置することはほとんどないと言っていいでしょう。また、豪雪地帯だからといって、全ての住宅が雪止めを設置しないといったこともありません。その住宅に使用される屋根材の種類や屋根の形、傾斜などを考慮し、屋根に溜まった雪に対してどのように対応するのかによって、雪止めが必要か否か総合的に判断されます。雪の多い地域に住宅を新築するさいは、雪止めが必要かどうかハウスメーカーに確認してみましょう。
すが漏れのリスクがある
雪が屋根や軒先に長い間留まっていると、すが漏れのリスクが発生します。すが漏れは雨漏りの一種で、屋根に溜まった雪が溶けて雨樋や軒先に溜まったところで冷えて凍り、屋根上でダムのように雪解け水をせき止めることで、逃げ場をなくした水が屋根材の隙間から屋内に侵入する現象です。屋根には屋根材の下に防水シートが敷かれているため、簡単に雨漏りが発生するわけではありませんが、雪を屋根に留めるような想定がされていない場合には、すが漏れが発生する可能性があります。雪止めの設置を自身で見つけた業者に依頼する場合には、お住いの住宅を建設した会社やハウスメーカーに、事前に確認を取ってみることがおすすめです。
錆が発生する場合がある
瓦以外の雪止めは、金属で作られているため錆が発生する可能性があります。もちろん、雪止めそのものにも錆が発生しないような塗装がされていますが、度重なる雨や雪の影響や経年劣化により錆が発生する場合もあります。錆は屋根に落ちて屋根材の塗膜を傷めたり、美観を損なったりする要因になります。
まとめ
この記事では、雪止めの重要性や設置をおすすめする地域、雪止めの設置方法やメリット・デメリットなどを詳しく解説しました。雪止めは、屋根に溜まった大量の雪を落下から防ぐことで事故やトラブルを防ぎ、住宅設備を破損から守る重要な役割があります。雪止めの設置は、毎年の積雪量がそれほど多くない地域や、住宅密集地に特におすすめします。後から設置することもできますが、金具型・アングル型・ネット・フェンス型など多くの種類があります。お住まいの住宅の屋根材の種類や屋根の形、傾斜に合わせた雪止めを選択する必要があるため、住宅環境に適した雪止めが分からない場合には、専門業者に相談するなどして、最適な雪止めを設置するようにしましょう。
ウェルスチールは埼玉県春日部市を中心に、屋根修理や塗装、防水工事などを幅広く手掛けております。屋根の点検や修理、雪止めの設置などのご相談も随時受け付けておりますのでお気軽にご連絡ください。お待ちしております。