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屋根の豆知識

屋根の豆知識!縦葺きと横葺きの違いとは?

2024年10月18日

屋根に屋根材を設置していく際には実は使用する屋根材によって「向き」が違っています。
例えばガルバリウム鋼板などの金属屋根であっても「縦葺き」「横葺き」のように色々な葺き方があるのです。
縦葺きと横葺きはそれぞれにメリットとデメリットがありますので、建物によって適した葺き方をしていくことが重要です。
そこでここでは屋根の縦葺きと横葺きの違い、特徴について紹介していきたいと思います。

縦葺きについて

縦葺きとは軒や棟に垂直になるように屋根材を縦向きに設置していく方法となります。
金属屋根の場合は長方形の板状の屋根材となりますので、その屋根材を縦向きに並べていくこととなります。
ここでは縦向きの葺き方をいくつか紹介していきます。

立平葺きについて

縦葺きでよく使用される方法に立平葺きがあります。
立平葺きは、縦向きに屋根材を設置していくもので、屋根の頂点に当たる「棟」の部分から屋根の下端である「軒」まで何もさえぎる物なく一直線になる葺き方です。
途中に障害となるものが何もないので排水性能が非常に高く、雨が降っても雨水は一直線に軒に向かって流れていくために「雨漏りしにくい屋根」と呼ばれることが多くなっています。
固定の仕方には「ハゼ葺き」と「嵌合式」という2種類の固定の仕方があります。

ハゼ葺きは金属板の横端に折り曲げるための部分を設けて、隣にある金属板とその部分を折り曲げて結合させていくという葺き方です。
日本では古くから利用されている方法で、その関係で立平葺きのことを「縦ハゼ葺き」と呼ぶこともあります。
ただ、屋根材を適切な形に折り曲げて隣の金属板と結合していくというのは高い技量が求められる作業でもあります。
そのため、高い技術を持った熟練した職人でなければこの葺き方ができないという特徴があります。
また、手作業で折り曲げながら設置していくのに時間がかかる方法でもあります。

嵌合式の方法は屋根材の端部分に「凸部分」「凹部分」をあらかじめ作っておき、それらを組み合わせて固定させるという方式です。
職人が手作業で金属板を変形させていかなければならないハゼ葺きとは違って、あらかじめ金属板を変形したものを現場で組み合わせるという方式ですので、現場で変形させなければならないほどの高い技術が求められるというわけではありません。
また、ハゼ葺きよりも工期も短くなるというメリットがあります。
「嵌合式立平」と呼ばれることもあるこの工法ですが、最近はこちらの葺き方が主流となってきています。

▷さいたま市緑区にて雨漏り修理〈立平葺き〉

瓦棒葺きについて

立平葺きと似ている葺き方に「瓦棒葺き」という葺き方があります。
見た目が非常に似ているために判断しにくく、間違いやすい葺き方です。
こちらの瓦棒葺きは葺き方の名称に「瓦」という名前がついていますが、屋根材に瓦が実際に使用されているというわけではありません。
瓦棒とは金属屋根同士を合わせて固定するために一定間隔で設置された木材を指しています。
瓦棒葺きは昔にトタン屋根で多く使用された葺き方で、木材の芯木となっている瓦棒を垂木に釘を打つことで固定し、折り曲げた金属板の溝板をこの瓦棒にはめて、上から抑えを被せて釘で固定をするという方法をとります。

縦葺きのメリットとは

それぞれの葺き方にはメリットとデメリットがあります。
まずここでは縦葺きのメリットについて紹介していきます。

排水性能が非常に高い

縦葺きという工法では縦長の屋根材を縦向きに並べて設置していきます。
そのため棟から軒までがまっすぐの一直線となっており、水平方向につなぎ目がないので水が屋根の内部に侵入していく場所が少ない構造となっています。
屋根に降った雨水がまっすぐに軒に向かって流れていくため、排水性が非常に高いという特徴があります。
縦葺きはこの排水性の高さが「雨漏りしにくい」という評価につながっていると言えます。

工期が短い、費用が安い

縦葺きは設置していく際に横葺きよりも早く作業ができるために工期が短くなりやすい葺き方です。
工期が短いということはそれだけ費用も安くなりやすくなります。
また、屋根の勾配が緩いほうが施工もしやすく、こちらも費用が安くなる理由となります。

傾斜があまりない建物の屋根でも使用できる

建物の屋根はすべてが同じ傾きをしているわけではなく、建物によって傾きの角度が違っています。
屋根の傾斜については「勾配」と言われていますが、この勾配が急であるほど水は下に向かって流れていきやすく、緩やかであるほど水は流れにくく溜まりやすいということになります。
この勾配によって使用できる屋根材が決まっているのですが、縦葺きは勾配が急であっても緩やかであっても施工することができる葺き方ですので、傾斜があまりない建物の屋根でも使用することができます。

縦葺きのデメリットとは

縦葺きは縦長の屋根材を縦向きにまっすぐ並べて連結していくという葺き方です。
そのため、形状が複雑な屋根の場合は使用することができません。
縦葺きが利用されている屋根ではシンプルな形状の切妻屋根などが多いのはそういった理由があるためです。
もし縦葺きを希望する場合は縦葺きが可能な屋根かどうかを業者に相談してみると良いでしょう。

横葺きとは

スレート屋根

横葺きはその名前の通り、屋根材を軒と並行になるように横向きに設置していく葺き方です。
スレート屋根や金属屋根で見ることができます。
横向きにも二つの葺き方があります。
一つは「平葺き」と呼ばれる葺き方です。
平葺きは屋根材を横向きに並べていき、つなぎ目をあまり作らずにフラットになるような葺き方です。
とにかくシンプルでスタイリッシュな仕上がりになります。
美しくしなやかな曲線を描きやすい葺き方でもあるため、社寺建築にも多く利用されています。

もう一つの葺き方は「段葺き」と呼ばれる葺き方です。
こちらは屋根材のつなぎ目に段差がある葺き方となっており、立体感、重厚感を感じさせる仕上がりとなります。
どちらの葺き方の場合でも屋根が複雑な形状をしている場合にも対応することができます。

横葺きのメリットとは

メリット

横葺きには縦葺きとは違ったメリットとデメリットがあります。
それらを正しく把握していることで、建物に合った葺き方を選ぶことが可能となるでしょう。
ここではまず横葺きのメリットについて紹介していきます。

デザイン、カラーバリエーションが豊富

横葺きの屋根材は素材、デザイン、カラーバリエーションが豊富という特徴があります。
デザインやカラーバリエーションが豊富なことで、組み合わせの種類も数多く選ぶことができるために、一般的な住宅だけでなく社寺仏閣などにも幅広く使用することができるようになっています。

防音性が高い

横葺きの屋根材は縦葺きの屋根材よりも小さいものが多くなっています。
このために複数の屋根材を組み合わせて使用することとなるのですが、音は屋根材の大きさが大きいほど響いて伝わりやすくなるために横葺きの方が音が伝わりにくいということになるのです。
そういった理由で横葺きは縦葺きよりも防音性が高くなります。

横葺きのデメリットとは

デメリット

 

縦葺きとは違ったメリットがある横葺きではありますが、いくつかのデメリットもあります。
ここではそれらのデメリットを紹介していきます。

使用することができる屋根勾配が限られる

横葺きは雨が降った際に雨水が下に向かって流れていく際につなぎ目があったりするためにそれほど排水性がよくありません。
そういった理由である程度の勾配がない屋根では横葺きは使用することができないのです。
基本的には屋根勾配が3寸ほどが確保されない場合には縦葺きをすすめられることとなるでしょう。

排水性が悪く、雨漏りしやすい

横葺きの葺き方は縦葺きのように雨水が一直線に軒に向かって流れていくことができませんし、つなぎ目が多くあるため、排水性が良くないという特徴があります。
雨水も溜まりやすく、雨漏りにつながりやすいという欠点があります。

縦葺きと横葺きとのわかりやすい違いとは

それぞれにメリットとデメリットがあるため、さまざまな違いがあるのが縦葺きと横葺きです。
まず大きな違いとしてあるのが「施工できる勾配」です。
縦葺きは排水性が良いために勾配が緩い、あまり傾斜がないという屋根であっても施工することができます。
逆に横葺きの場合は排水性が悪いのである程度の勾配がなければ施工することができません。
具体的には、
✅縦葺き・・・勾配が0.5寸以上
✅横葺き・・・勾配が3.0寸以上
と考えれば良いでしょう。

これ以上勾配がない場合はビルやマンションの屋上のような平屋根に近い形となってしまうため、業者に相談して屋根を考えていかなければいけません。

もう一つの大きな違いはデザイン性です。
縦葺きの屋根と横葺きの屋根を見るとはっきりとデザインが違うということがわかります。
屋根の勾配が急な屋根であれば下から屋根を見上げた時にも屋根のデザインは見やすいものとなりますが、勾配が緩やかな場合は下から屋根を見上げてもあまり見えないということになります。
縦葺きと横葺きの屋根では見た目が大きく違ってくるので、外観、美観といった点からも葺き方を選ぶことが重要です。

まとめ

屋根材には縦葺きと横葺きという施工の仕方があります。
かんたんに言えば屋根材を軒と垂直になるように縦向きに並べていく縦葺きと、軒に並行になるように横向きに葺いていく横葺きとなります。
縦向きの屋根材は雨水がまっすぐに流れていきやすいので排水性が高くなりますが、横向きの屋根材は複雑な形状をしている屋根でも施工できるというそれぞれにメリットがあります。
外観もまったく違ったものとなりますので、それぞれのメリットとデメリットを総合的に考えて葺き方を選んでいくと良いでしょう。

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